農業用貯水タンクの選び方は?あると便利な機能も併せて解説

2025/02/20
基礎知識
農業に水は欠かせませんが、いつでも潤沢に手に入るとは限りません。雨が降らない時期でも農作物を育てるためには、水をストックしておく必要があります。そこで活躍するのが、農業用貯水タンクです。
農業で水を効率的に蓄え、管理できる農業用貯水タンクをお探しの方もいるのではないでしょうか。活用するにあたっては、その概要や選び方を押さえておくことが重要です。
そこで本記事では、農業用貯水タンクの概要や役割、選び方を解説します。農業用貯水タンクにあると便利な機能なども解説するので、農業用貯水タンクをお探しの方はぜひ最後まで参考にしてください。
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農業用貯水タンクとは?
農業用貯水タンクとは農業活動において、水を効率的に蓄えるための設備です。雨水や地下水、地表水を効率的に集水し、必要に応じて散水や灌漑のために利用されます。
農作物に対して安定的に水資源を供給できるため、特に降水量が少ない地域や乾燥地帯、雨が降らない時期に重宝され、農作物の成長には欠かせません。詳しくは後述しますが、主な役割はコストを削減すること、灌漑システムで安定的に水を供給すること、持続可能な農業を促進することなどです。
一口に農業用貯水タンクといっても、材質や設置形式によりさまざまなタイプに分けられます。材質にはプラスチック・ガラス繊維強化プラスチック(FRP)・ステンレス・セメントなどがあり、それぞれで重さや耐久性、耐腐食性は異なります。設置形式は地上型と地下型が一般的で、外部環境からの影響の受けやすさ、メンテナンスのしやすさは異なるので特徴を押さえておくことが重要です。
農業用貯水タンクの役割
農業用貯水タンクには、以下に挙げる役割があります。
● コスト削減
● 灌漑システムの安定運用
● 持続可能な農業の促進
それぞれの役割を詳しく見ていきましょう。
コスト削減
農業用貯水タンクはコストを削減する効果があります。
十分に雨が降っても、その全てを農作物を育てるための水資源に活用できるわけではありません。ストックできずに流れてしまった場合、水道や外部水源に依存することになるため、余分なコストがかかります。
その点農業用貯水タンクを活用すれば、雨水や井戸水を集めて貯蔵でき、必要なときに供給できるため水道や外部水源への依存度を減らすことが可能です。初期費用や導入費用はかかりますが、それを上回る節約効果が得られます。
とはいえ、初期費用が高くなかなか導入に踏み切れないケースもあるでしょう。その場合は、農業に関する国や地方自治体の助成金や補助金の利用を検討してください。
灌漑システムの安定運用
農業用貯水タンクは、灌漑システムの安定運用には欠かせません。
灌漑システムとは、農作物の栽培で水を効率的に供給するためのシステムです。河川や地下水など水資源が豊富なところから水を引いて、農地に人工的に水を供給します。
センターピボット灌漑システム、点滴灌漑、太陽光発電灌漑システムなどがありますが、水の供給源として農業用貯水タンクが活躍します。雨が降らない地域や乾燥した地域でも、水を切らさずに供給することが可能です。
また灌漑システムでは、水を供給し過ぎると水の無駄遣いになるだけでなく、農作物の成長にも悪影響を及ぼします。灌漑システムと農業用貯水タンクを連携させると、水が必要なときに供給できるようになり、水の無駄遣いの防止、農作物の安定的な成長に寄与します。
持続可能な農業の促進
持続可能な農業とは、現在のニーズを満たしつつも、将来の世代のニーズや環境を守るための農業手法です。世界の人口が急速に増大して農作物へのニーズが増す中、農林水産省を中心に日本でも取り組みの重要性が注目されています。森林保護や減化学肥料・化学農薬による栽培などが、持続可能な農業実現の取り組み例に挙げられるでしょう。
水資源の安定的な供給も持続可能な農業には欠かせない要素の一つで、無駄なく水資源を活用するためには農業用貯水タンクの活用が鍵を握ります。
雨水や地下水を集めて貯めておき、必要なときに利用できるため、水の無駄遣いを削減できます。最新のテクノロジーを活用した農業用貯水タンクもあり、持続可能性を実現する一助となっているのです。
農業用貯水タンクの選び方
農業用貯水タンクを選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。
● タンク容量
● 材質
● 設置場所
それぞれのポイントを詳しく解説します。
タンク容量
農業用貯水タンクを選ぶ上で重要なポイントには、まずはタンク容量が挙げられます。
タンク容量は、農地の規模や必要な水量に応じて適切に選ぶことが重要です。容量が小さすぎると、灌漑が途切れたり雨が降らなかったりしたときに水不足に陥るリスクがあります。一方で、大きすぎるタンクを設置すると、設置スペースが取られるだけでなく、導入コストがかかるため、適切なバランスが求められます。
同じ畑作面積でも、育てる農作物によりタンク容量を考慮することも重要です。稲やナスなどは乾燥に弱く生育に伴い多量の水を消費するのに対し、オクラやさつまいもなどは乾燥に強い農作物です。
加えて、乾燥する時期がどのくらいあるのかも考慮して容量を選ぶ必要があります。
材質
農業用貯水タンクを選ぶ際、材質も重要なポイントです。材質により耐久性や導入コストなどが異なるので、用途に応じて最適なものを選定しましょう。農業用貯水タンクの材質には、以下が挙げられます。
● プラスチック製タンク
● ガラス繊維強化プラスチック(FRP)製タンク
● ステンレス製タンク
● セメント製タンク
● ボルト式鋼製タンク
プラスチック製タンクは軽量で、輸送や設置がしやすい点が特徴です。耐腐食性も高いため、さまざまな気候や環境での使用に適しています。ガラス繊維強化プラスチック(FRP)製タンクも同様に軽量で設置しやすく、小規模な灌漑向けの移動可能な水供給に適しています。
ステンレス製タンクは高い耐久性・耐食性を有しており、金属元素を含有していながら錆びにくい点も特徴です。水資源を衛生的に保存するのに適しています。セメント製タンクは強度が高く、長期間外部環境にさらされても劣化しにくい点が特徴です。
ボルト式鋼製タンクは高い耐久性と耐腐食性があり、長期間水を保存する際に適しています。強度が高く堅牢な構造を持つので、直射日光や雨風などの外部環境に耐えられます。
設置場所
農業用貯水タンクは、設置する場所により大きく分けて「地上型」と「地下型」に分けられます。
地上型は設置しやすく、目視で残量を確認できたりメンテナンスや点検が行いやすかったりする点がメリットです。一方で常に地上にあり、直射日光や雨風の影響を受けやすい点には注意しなければなりません。
地下型はその名の通り地中に埋めるタイプで、外部環境の影響を受けにくい他、景観を保てる点が特徴です。一方で、設置するにあたっては専門的な工事が必要になります。
その他、移動や設置が容易な組み立て式や、使用しないときはコンパクトに収納できる折りたたみ式などもあります。
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農業用貯水タンクにあると便利な機能
農業用貯水タンクにあると便利な機能には、以下のものがあります。
● オーバーフロー防止機能
● フィルター機能
● 集水機能
それぞれの機能の概要や、どのように活躍するかを詳しく見ていきましょう。
オーバーフロー防止機能
容量以上に集水されると、タンクからあふれ出て周りが水浸しになってしまいます。この状況を避けたい場合は、オーバーフロー防止機能を備えた農業用貯水タンクがおすすめです。
オーバーフロー防止機能とは、タンクの容量を超えて水であふれるのを防ぐための機能です。オーバーフロー防止機能にはいくつか種類がありますが、タンク内の余剰水を適切な場所に流すものや、一定容量以上の水が供給されると自動で供給が止まる仕組みなどがあります。こうした機能があれば、タンク周辺での水漏れや浸水を未然に防げるでしょう。
また設定された水位を超えた場合に余分な水を外部へ排出するオーバーフロー管が設置されているなら、別の容器に蓄えられた水を再び農業や灌漑用水として活用できます。
フィルター機能
農業用貯水タンクに取り込まれる水質を保つためには、フィルター機能があると便利です。フィルター機能があれば、雨水や地下水の集水時に混入する虫やごみ、ほこり、泥、砂利などの異物を取り除き、タンク内を清潔に保つことができます。
フィルターにはごみが貯まるので、フィルター機能を維持するためにも定期的に清掃や交換を行いましょう。
また内部の水を清潔に保つ観点からは、ドレン口が付いているものもおすすめです。ドレン口とはタンク下部にある蛇口で、この栓を開くと底部にたまった細かいごみが水と一緒に排出されます。口径が大きければ効率的に排水できるので、口径もチェックしておきましょう。
集水機能
効率的にタンクに水を貯めるには、集水機能があるタイプを選ぶのがおすすめです。レイントラップやホースが付いているかを確認しましょう。
レイントラップとは、降雨時に雨水を効率的に集めるための装置や仕組みです。屋根や集水面の雨水を取り込み、タンク内に蓄える役割があります。容量がいっぱいのときはタンク内に流れ込まず、他の箇所に流れるので水を効果的に活用する点でも役立ちます。
まとめ
本記事では、農業用貯水タンクの概要や役割、選び方、あると便利な機能などを網羅的にご紹介しました。
農業用貯水タンクは農業活動で水を効率的に蓄えるための設備で、コスト削減や灌漑システムの安定運用、持続可能な農業の促進には欠かせません。実際に設置する際は、タンク容量・材質・設置場所の3つのポイントを考慮して選びましょう。
農業用貯水タンク単体でも十分便利ですが、オーバーフロー防止機能やフィルター機能、集水機能があるとより効率的に農業を営むことができます。
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