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物流特殊指定とは? 対象となる取引や禁止行為、法改正のポイントを分かりやすく解説

物流特殊指定とは? 対象となる取引や禁止行為、法改正のポイントを分かりやすく解説

2026/09/16

基礎知識

物流特殊指定は、荷主と物流事業者の公正な取引を確保するためのルールです。運賃の不当な減額や契約外の作業要求などが規制されており、2027年4月には着荷主への規制拡大を含む改正も予定されています。

本記事では、物流特殊指定の対象となる取引や禁止行為、改正内容、企業が取り組むべき対応について分かりやすく解説します。

※参考:公正取引委員会.「(現行)特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法(平成十六年三月八日公正取引委員会告示第一号)」.(参照2026-08-21).

※参考:公正取引委員会.「物流特殊指定 知っておきたい「物流分野の取引ルール」」.(参照2026-08-21).

一方で、導入には運用ルールの調整や管理体制の整備など、事前に確認しておきたいポイントもあります。本記事では、共同配送の基本的な仕組みや主な方式、メリット・課題、導入時のポイントについて見ていきましょう。

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物流特殊指定とは?

物流特殊指定とは、荷主と物流事業者の取引において、立場の強い荷主による不公正な取引を防ぐためのルールです。運送や保管などの委託取引を対象に、物流事業者へ不当に不利益を与える行為を規制します。

まずは、物流特殊指定がどのような制度なのかを確認していきましょう。

制度の概要と目的

物流特殊指定は、正式には「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」と呼ばれ、公正取引委員会が独占禁止法に基づいて定めたルールです。

荷主と物流事業者の間では、継続的な取引関係や取引規模などを背景に、荷主側の立場が強くなりやすい場合があります。こうした関係の中で、物流事業者が不利益な条件を受け入れざるを得ない状況が生じるのを防ぐのが、この制度の主な目的です。物流分野における公正な取引環境を整え、荷主による優越的な地位の濫用を未然に防止する役割を担っています。

なお、物流特殊指定には対象となる取引や事業者に関する一定の要件が設けられているため、全ての物流取引に一律で適用されるわけではありません。

取適法(旧下請法)との違い

物流特殊指定と取適法(旧下請法)は、いずれも取引上の立場が強い事業者による不当な行為を規制し、公正な取引を確保するためのルールですが、適用される取引や判断基準が異なります。

取適法は、発注事業者と受注事業者の資本金や従業員数、取引内容などが一定の要件に該当する場合に適用されます。一方、物流特殊指定は、取適法の対象とならない物流取引であっても、荷主が物流事業者に対して優越的な地位にある場合などに適用される可能性があるでしょう。

そのため、物流取引を行う企業は「取適法の対象外だから規制を受けない」と判断するのではなく、物流特殊指定への該当性も確認することが重要です。

※参考:公正取引委員会.「2026年1月から「下請法」は「取適法」へ!」.(参照2026-08-21).

※参考:政府広報オンライン.「2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります」.(2025-11-18).

物流特殊指定の対象となる取引


物流特殊指定が適用されるかどうかを判断するには、対象となる取引の範囲を把握しておく必要があります。物流に関する取引が全て対象になるわけではなく、委託する業務の内容や企業の条件によって適用の有無が決まります。

ここでは、対象となる取引を確認していきましょう。

運送・保管の委託が対象

物流特殊指定では、荷主が物流事業者に委託する物品の運送や保管に関する取引が対象となります。

例えば、自社の商品を顧客や店舗へ配送するために運送会社へ輸送を依頼する場合や、商品・原材料などを倉庫事業者に預けて保管を委託する場合などが該当します。また荷主が物流子会社を介して運送・保管を委託しているケースも対象です。

さらに、物流子会社が実際の運送や保管を別の物流事業者へ再委託する取引に関しても、一定の要件を満たせば物流特殊指定の対象となります。そのため、自社が物流事業者へ直接発注していないからといって、対象となる可能性がある点に注意しましょう。

適用対象となる企業の条件

物流特殊指定は、荷主と物流事業者の全ての取引に適用されるわけではなく、両者の資本金や取引上の関係などを基に対象かどうかが判断されます。基本的には、荷主が物流事業者に対して取引上優越した立場にある場合が対象です。

具体的には、荷主と物流事業者の資本金の組み合わせが一定の基準に該当する場合、物流特殊指定の適用対象となります。ただし、資本金の基準に該当しない場合でも、必ずしも対象外になるとは限りません。

例えば、取引への依存度や継続性、取引先を変更することの難しさなども判断材料の一つとなります。こうした事情から、物流事業者が荷主から不利益な要求を受けても受け入れざるを得ない関係にある場合には、優越的な地位が認められる可能性があります。

物流特殊指定で禁止される主な行為

物流特殊指定では、荷主が取引上の立場を利用して、物流事業者に不当な不利益を与える行為が禁止されています。どのような行為が禁止されているのかを具体的に見ていきましょう。

代金の支払い遅延・不当な減額

物流特殊指定では、荷主が定めた支払期日までに運送・保管の代金を支払わず、不当に支払いを遅らせる行為が禁止されています。物流事業者に責任がないにもかかわらず、支払いを先延ばしにすることは認められません。

また契約時に決めた代金を後から一方的に減額する行為も問題となります。例えば、協賛金などの名目で代金から金銭を差し引くケースです。荷主は事前に決めた取引条件に従い、適切に代金を支払う必要があります。

不当に安い価格での取引(買いたたき)

物流特殊指定では、通常支払われる運賃・料金と比べて著しく低い金額を、荷主が一方的に設定する「買いたたき」は禁止行為です。物流事業者との十分な協議を行わず、荷主側の都合だけで不当に安い価格を押し付ける行為が問題となります。

例えば、燃料費や人件費などのコストが上昇しているにもかかわらず、より低い運賃を一方的に求めるケースなどです。運賃・料金を決める際は、必要なコストや取引条件を踏まえ、物流事業者との十分な協議が重要です。

契約外の作業の無償要求

物流特殊指定では、契約で定めていない作業を物流事業者に無償で行わせ、不当に負担を負わせるのも禁止行為の対象となります。運送そのものだけではなく、荷積み・荷卸し、仕分け、検品、棚入れなどの附帯作業を追加で求める場合には注意が必要です。

こうした作業には人員や時間が必要であり、物流事業者にとってコストが発生します。荷主の都合で契約外の作業を求めるのであれば、作業内容や料金について事前に協議し、適切な対価を設定しておくことが重要です。

給付内容の変更・やり直しの要求

物流特殊指定では、物流事業者に責任がないにもかかわらず、荷主の都合で給付内容を変更したり、やり直しを求めたりして、不当に負担を負わせる行為が禁止されています。契約後に配送先や納品方法などを変更し、追加の費用が発生する場合などが該当するでしょう。

変更ややり直しによって物流事業者に追加の作業や費用が生じるのであれば、その負担を一方的に押し付けることは適切ではありません。契約内容を変更する必要が生じた際は、物流事業者と事前に協議し、追加費用を含めた条件を明確にしておく必要があります。

【2027年(令和9年)4月施行】物流特殊指定の主な改正内容

物流特殊指定は、物流業界を取り巻く環境の変化や取引上の課題を踏まえ、2027年4月から規制内容が見直されます。

今回の改正では、規制対象となる荷主の範囲や運賃・料金の決定方法などが変更されるため、物流事業者へ委託する企業は対応が必要です。ここでは、押さえておきたい主な改正点を解説します。

※参考:公正取引委員会.「(令和9年4月1日施行)特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合等の特定の不公正な取引方法(平成十六年三月八日公正取引委員会告示第一号)」.(参照2026-08-21).

※参考:公正取引委員会.「改正物流特殊指定)」.(参照2026-08-21).

着荷主も規制の対象になる

2027年4月の改正では、物流特殊指定の規制対象に「着荷主」が加わります。着荷主とは、発荷主から発送された物品を受け取る側の事業者です。

従来は、着荷主と実際に貨物を運ぶ事業者との間に直接の契約関係がない場合、着荷主の行為を物流特殊指定で規制することが難しいという課題がありました。

改正後は、一定の要件を満たす着荷主が、発荷主との取引関係を背景に、運送事業者に契約外の荷待ちや荷役などを求め、発荷主に不利益を与える行為などが規制対象となります。つまり「運送事業者と直接契約していない」という理由だけで規制と無関係とはいえなくなります。

着荷主となる企業は、荷物の受取現場で長時間の待機や契約外の作業を求めていないかを確認し、発荷主との契約内容を現場にも共有しておきましょう。

一方的な運賃・料金の決定が禁止される

2027年4月の改正では、物流事業者から運賃・料金について協議を求められたにもかかわらず、荷主が協議に応じず、一方的に金額を決定する行為が新たに禁止されます。協議の場を設けるだけではなく、物流事業者が求めた事項について必要な説明や情報を提供することも重要です。

燃料費や人件費など、運送・保管にかかるコストが変動した際に、物流事業者から運賃の見直しを求められることもあります。こうした申し出を無視したり、十分な説明をしないまま従来の運賃に据え置いたりすると、規制に抵触する可能性があるので注意しましょう。

物流特殊指定に対応するためのポイント


物流特殊指定に対応するには、日頃の物流取引を適切に管理することが欠かせません。ここでは、企業が実務で取り組みたい3つのポイントを紹介します。

契約書・発注書に取引条件を明記する

物流特殊指定に対応するため、運送・保管を委託する際は、取引条件を契約書や発注書などに明記しておく必要があります。運賃・料金だけではなく、業務の内容や納期、支払条件、荷役などの附帯作業の有無とその対価に関しても、事前に整理しておきましょう。

取引条件が曖昧なままだと、現場で契約外の作業が発生した際に、どちらが費用を負担するのかをめぐってトラブルになる恐れがあります。口頭のやり取りだけで済ませず、物流事業者と協議した内容を書面やデータで確認できる状態にしておくことが大切です。

荷待ち時間や附帯作業を記録する

荷待ち時間や荷役などの附帯作業については、実際にどの程度の時間や作業が発生しているのかを記録しておきましょう。契約書に記載がなくても、現場では長時間の待機や追加作業が常態化しているケースもあります。

入退場時刻や荷役の開始・終了時刻、作業内容などを記録しておけば、契約内容と実態にずれがないかを確認しやすくなります。記録を基に必要な作業や負担を把握し、契約条件や料金の見直しにつなげることで、物流事業者への一方的な負担も防ぎやすくなるでしょう。

運賃に関する価格交渉の履歴を残す

運賃・料金について物流事業者と協議した際は、交渉の経緯を記録として残しておきましょう。特に2027年4月の改正後は、協議に応じず一方的に運賃・料金を決める行為が規制対象となるため、適切に話し合ったことを確認できる状態にしておく必要があります。

交渉を行った日時や相手方、提示された金額、値上げ・値下げの理由、双方の回答などを記録しましょう。メールや議事録、見積書なども保存しておけば、どのような過程で運賃・料金を決定したのかを後から確認できます。

まとめ

物流特殊指定への対応では、契約や運賃などの取引条件だけではなく、物流事業者の負担につながる現場の運用も見直す必要があります。荷待ちや荷役作業が発生している場合は、保管方法や搬送動線、作業手順を見直すことで、負担軽減につなげられるでしょう。

こうした現場の負担を軽減する方法の一つとして、マテハン機器やラック、パレットなどを活用し、荷役や保管に関する作業を効率化することも有効です。

キーフェル株式会社では、物流現場で活用できるマテハン機器やラック、パレットなどを幅広く取り扱っています。用途や必要なサイズ・仕様に応じた物流資材についてのご相談も承っておりますので、荷役作業の効率化や倉庫設備の見直しをご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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