共同配送とは? 配送方式や導入するメリット・注意点を分かりやすく解説
2026/08/17
基礎知識
物流コストの上昇やドライバー不足への対応が求められる中、配送業務の効率化は多くの企業にとって重要な課題となっています。その解決策の一つとして注目されているのが共同配送です。
複数企業が配送を連携して行うことで、輸送効率の向上やコスト削減、環境負荷の軽減などの効果が期待されています。
一方で、導入には運用ルールの調整や管理体制の整備など、事前に確認しておきたいポイントもあります。本記事では、共同配送の基本的な仕組みや主な方式、メリット・課題、導入時のポイントについて見ていきましょう。
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共同配送とは?
共同配送とは、複数の企業の荷物を同じトラックに積み込み、同じ配送先または近い地域への荷物をまとめて配送する物流手法です。各社が個別に配送を行う代わりに、配送車両や配送ルートを共有することで、輸送効率の向上や物流コストの削減を図ります。
近年はドライバー不足や燃料価格の上昇を背景に、物流全体の効率化が求められていることから、共同配送への注目が高まっています。また国土交通省も、人手不足や環境問題への対応策として、企業の垣根を越えて物流を共同化する「共同輸配送」を推進しています。
※参考:国土交通省.「連携による持続可能な物流に向けて」.(参照2026-07-29).
共同配送の主な方式
共同配送の主な方式には、配送センター集約方式とミルクラン方式があります。それぞれ荷物を集約・配送する方法に違いがあり、物流体制や配送条件に応じて使い分けられています。
ここでは、代表的な2つの方式について確認していきましょう。
配送センター集約方式
配送センター集約方式とは、複数の荷主から集めた荷物を一度配送センターへ集約し、配送先ごとに仕分けを行った上で配送する共同配送の方式です。配送センターで配送先別に荷物を整理するため、同じ方面へ向かう荷物をまとめて積載しやすくなります。
また各企業は配送センターまで荷物を運び、その後の配送は共同で実施されます。配送センターでは検品や荷物の仕分け、積み込みなどを行う場合もあり、物流業務を集約できる点が特徴です。配送先が多いケースや複数企業で配送を共同化する際に採用されることが多い方式です。
ミルクラン方式(巡回集荷)
ミルクラン方式(巡回集荷)とは、1台の車両が複数の荷主や納品先を順番に巡回しながら、荷物の集荷や配送を行う共同配送の方式です。ミルクランという名前は、牛乳メーカーが各地の牧場を巡回して生乳を集荷していたことや、牛乳配達車が複数の家庭を回る様子に由来しています。
あらかじめ決められたルートに沿って運行するため、複数の荷物を効率よく集めて配送できます。また荷主ごとに個別の集荷車両を手配する必要がなく、同じ車両で複数拠点を回れる点が特徴です。
工場から部品を集荷する製造業や、複数の取引先から荷物を回収する物流現場などで広く採用されており、定期的な集荷や配送が発生するケースに適しています。
共同配送を導入するメリット

ここでは共同配送を導入する以下のメリットを詳しく見ていきましょう。
● 配送コストの削減につながる
● 積載効率を高められる
● 荷受作業の負担を軽減できる
● CO2排出量を抑えられる
配送コストの削減につながる
物流コストは、燃料費や人件費の上昇によって増加しやすい状況が続いています。
共同配送では、複数の企業の荷物を1台のトラックにまとめて運ぶため、車両の稼働台数を抑えやすくなります。その結果、燃料の使用量やドライバーの稼働を効率化しやすくなり、配送にかかるコストの削減が期待できるでしょう。
物流費の見直しが求められる中、共同配送は輸送効率を高めながらコスト負担を軽減できる手法として、多くの企業で導入が進められています。
積載効率を高められる
共同配送では、複数の企業の荷物を1台の車両に集約して配送するため、荷台の空きスペースを有効に活用しやすくなります。個別配送では荷物が少ない状態で運行するケースもありますが、共同配送を利用することにより積載効率の向上が期待できるでしょう。
また限られた車両でより多くの荷物を運べるようになることで、配送効率の向上にもつながります。車両を効率的に活用できる物流体制を構築しやすくなる点は、共同配送の大きな特徴の一つです。
荷受作業の負担を軽減できる
共同配送は、配送する企業だけではなく、荷物を受け取る側の業務負担の軽減も期待できます。通常は荷主ごとに別々の車両が到着するため、その都度荷下ろしや受け入れ対応が必要です。
一方、共同配送では複数の荷物をまとめて配送するので、荷受けの回数を減らしやすくなります。その結果、荷下ろしや検品などの作業を効率化しやすくなり、担当者の作業時間の短縮にもつながるでしょう。またトラックの出入りが減ることで、荷さばき場の混雑緩和が期待できるのも利点です。
CO2排出量を抑えられる
共同配送は、環境負荷の軽減にもつながる物流手法として注目されています。複数の企業の荷物を1台の車両に集約して配送すれば、個別配送と比べて運行する車両数を抑えやすくなるためです。
車両の走行距離や燃料使用量が減少すれば、CO2排出量の削減も期待できます。近年は企業に対して環境への配慮や脱炭素への取り組みが求められており、共同配送は物流効率の向上と環境負荷の低減を両立しやすい取り組みの一つとして導入が進められています。
共同配送で起こりやすい課題
共同配送には多くのメリットがある一方で、導入や運用に当たっては事前に把握しておきたい課題もあります。複数の企業が同じ配送体制を利用するため、個別配送とは異なる運用上の調整が必要になる場面も少なくありません。
ここでは、共同配送で起こりやすい主な課題について解説します。
配送ルートや時間変更への柔軟な対応が難しい
共同配送では、複数の企業が同じ配送ルートやスケジュールを共有して運用するため、急な配送先の追加や時間変更に対応しにくい場合があります。個別配送であれば自社の都合に合わせて配送計画を変更しやすいものの、共同配送では他社の荷物や配送計画にも影響を与えるので、柔軟な対応が難しくなることもあるでしょう。
また特定の企業だけの要望に合わせて運行ルートを変更すると、全体の配送効率が低下する可能性もあります。そのため、急な配送依頼や納品時間の変更が多い業務では、共同配送の運用に制約を感じる場面もあるでしょう。
配送状況を管理する仕組みが必要になる
共同配送では、複数の企業の荷物を同じ車両で配送するため、個別配送と比べて荷物の配送状況をリアルタイムで把握しにくくなる場合があります。特に複数の荷主や配送先が関わる運用では、荷物ごとの現在地や配送状況を細かく追跡することが難しくなるケースもあるでしょう。
また配送状況を正確に共有するには、企業間で共通の追跡システムを構築・導入する必要があり、そのための手間やコストが発生します。こうした管理体制の整備は、共同配送を運用する上で課題の一つです。
企業間で運用ルールを統一する必要がある
共同配送では、複数の企業が同じ配送体制を利用するので、運用ルールを統一する必要があります。
例えば、配送スケジュールや荷物の受け渡し方法だけではなく、各社が独自に設定している配送料金、請求方法、支払い条件なども調整しなければなりません。運用ルールが統一されていないと、業務の進め方に違いが生じ、配送や事務手続きが円滑に進まない可能性があります。
複数企業が連携して配送を行う共同配送では、こうしたルールのすり合わせに時間や労力を要する場合があるでしょう。
共同配送に適した商品・適していない商品
共同配送は、複数の企業の荷物を同じ車両で配送するため、商品の大きさや形状、配送条件によって向き・不向きがあります。自社の商品が共同配送に適しているかを確認することで、導入後の効果を得やすくなるでしょう。
共同配送に適しているのは、一定の配送パターンを維持しやすい商品です。例えば、定期的に出荷される商品や、配送先が同じ地域に集中している商品は、複数企業の荷物をまとめやすく、共同配送との相性が良いとされています。特に日用雑貨や医薬品などは、他社の商品と混載しやすく、共同配送に適しているでしょう。常温輸送が可能で、パレットやケース単位など荷姿が統一されている商品も混載しやすい傾向にあります。
一方で、大型で場所を取る荷物や形状が不規則な荷物は、積み合わせが難しく共同配送には向いていません。また厳密な時間指定が必要な荷物や、におい移りが懸念される異なる種類の商品も、共同配送では取り扱いが難しい場合があります。さらに、1回の出荷量だけで車両をほぼ満載にできる場合は、共同配送よりも貸切便やチャーター便の方が適しているでしょう。
共同配送を導入する際のポイント

共同配送を円滑に運用するためには、事前の準備や運用体制の整備が欠かせません。先述したコストの削減や荷受作業の負担軽減といった効果を引き出すには、自社の配送状況を把握した上で、共同配送に適した運用方法を検討していくことが重要です。
またパートナー企業との役割分担やルールを明確にし、安定した運用を支える物流会社を選定することも成功につながります。ここでは、共同配送を導入する際に押さえておきたいポイントを解説します。
自社の配送状況を把握する
共同配送を導入する前に、自社の配送状況を正確に把握しておくことが大切です。配送先のエリアや配送頻度、1回当たりの出荷量、積載率などを整理すると、共同配送に適した業務かどうかを判断しやすくなります。
また現在の配送コストや配送ルートを可視化しておくと、導入後にどの程度の改善効果が期待できるかを比較しやすくなります。現状を十分に分析しておけば、自社に適した共同配送の運用方法を検討しやすくなるでしょう。
運用ルールや責任範囲を明確にする
共同配送では、複数の企業が同じ配送網を利用するので、運用ルールや責任範囲を事前に明確にしておくことが重要です。
例えば、配送スケジュールや荷物の受け渡し方法に加え、荷物の破損や遅延が発生した場合の対応窓口、責任の所在などをあらかじめ取り決めておくと、運用開始後のトラブルを防ぎやすくなります。関係する企業が共通のルールを理解し、認識をそろえておくことが、安定した共同配送の運用につながります。
管理体制や対応力が整った物流企業を選ぶ
共同配送を円滑に運用するためには、実績や管理体制が整った物流会社を選ぶことも重要です。
共同配送では複数の荷主や配送先を管理するので、配送状況を把握できるシステムや、トラブル発生時に迅速に対応できる体制が求められます。また共同配送の運用実績が豊富な物流会社であれば、ルート設計や企業間の調整に関するノウハウを活用できる可能性があります。
サービス内容やサポート体制を比較し、自社の運用に適した物流会社を選ぶと、共同配送を円滑に進めやすくなるでしょう。
まとめ
物流コストの上昇や人手不足への対応が求められる中、配送業務の効率化は多くの企業にとって重要なテーマとなっています。共同配送は、その課題を解決する手段の一つとして注目されており、コスト削減や積載効率の向上などが期待できます。
ただし、導入に当たっては運用ルールの整備や配送管理体制の構築など、事前に確認すべき点も少なくありません。自社の配送状況や商品特性を踏まえた上で、自社に適した運用方法や物流会社を選定することが、円滑な導入につながるでしょう。
また物流全体の効率化を図るためには、配送方法の見直しだけではなく、倉庫内の保管や搬送、荷役作業を支える設備・機器を適切に導入することも重要です。現場全体を最適化することで、より効率的な物流体制を構築しやすくなります。
キーフェル株式会社では、物流現場の効率化に役立つマテハン機器やラック、パレットなどを幅広く取り扱っています。保管設備の導入だけではなく、物流現場の課題や運用に合わせたご提案も行っていますので、倉庫設備の見直しや物流改善をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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