ポストパレットとは? ネスティングラックとの違いを紹介
2026/05/29
基礎知識
物流・運送の現場では、荷物の保管や積み込みを効率良く行う上で「パレット」の活用が欠かせません。
パレットにはさまざまな種類がありますが、ラックを増設できない倉庫や、平パレットだと荷物を重ねにくい場面では、支柱付きの「ポストパレット」が選ばれています。その一方で「どのような荷物に向いているの?」「他のパレットとの違いは?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ポストパレットの基本的な特徴や、よく混同される「ネスティングラック」との違いについて詳しく解説します。自社の荷物や運用に合うか見極めるヒントとして、ぜひ役立ててください。
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そもそもパレットとは?
パレットとは、荷物を載せて保管・輸送・運搬するのに使用される荷役台のことです。パレットの種類は多様なため、荷物の種類や作業環境に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。
ここではパレットの形状と材質について紹介します。用途に応じて使い分けられるよう、パレットの基本を確認しておきましょう。
形状
パレットにはさまざまな形状があり、積みやすさや保管方法によって使い分けられます。代表的な形状は以下の通りです。
● 平パレット:天板のみのフラットなパレット
● ボックスパレット:側板が網や板で囲まれた箱型のパレット
● ポストパレット:パレットの四隅に支柱が付いたパレット
● シートパレット:薄いシート状のパレット
● サイロパレット:サイロの形をした密閉容器型のパレット
● タンクパレット:金属製の枠で囲まれたタンクが付いたパレット
このような形状の違いを押さえておくと、用途に合ったパレットを選定しやすくなります。
材質
パレットは材質によって特徴が異なり、耐久性や衛生面などを加味して選択されます。代表的な材質は以下の通りです。
● 木製:比較的安価で汎用性・強度が高いが、経年劣化しやすい
● 金属:鉄やアルミニウム製で高い強度と耐久性を持つ
● プラスチック:合成樹脂で作られ、耐久性と耐水性に優れている
● 紙:軽量で扱いやすいが、水や湿気に弱い
扱う荷物や用途を踏まえ、必要な特性を満たす材質のパレットを選ぶことが大切です。
パレットを使用するメリット

パレットを使用すると、作業の進み方や荷物の扱い方が変化し、現場全体の流れをスムーズにするいくつかのメリットを得られます。
まず一つ目は、作業全体の効率化につながる点です。パレットを使用することで一度に扱える荷物の量が増えます。そのため荷物の積み込み・積み下ろしや倉庫内の移動時間を短縮でき、作業をスムーズに進められるでしょう。
また作業負担を軽減できる点もポイントです。重い荷物を手作業で運ぶ回数が減るので、身体的な負担やけがのリスクを抑えられます。
さらに荷物の管理・破損防止にも効果的です。パレットごと荷物を積み重ねることによって上部の空間を活用でき、より多くの荷物を保管しやすくなります。積み替え回数が減る分、落下や圧迫による破損を防ぎやすくなるでしょう。荷物を適切に固定すれば、荷崩れを抑えられ輸送中の揺れや衝撃から荷物を守りやすいのもメリットです。
ポストパレットとは?
ポストパレットとは、先述の通りパレットの四隅に支柱が付いた荷役台のことです。金属製の枠組みを持っており、パレットとラックの役割を併せ持ちます。
ここでは、ポストパレットをどのような場面で使うのが適しているのか、用途と支柱の種類を詳しく確認していきましょう。
用途
ポストパレットは、平パレットでは扱うことが難しい荷物の保管・輸送に適しています。例えば、次のような荷物で活用されます。
| 長尺物・ロール物 | 絨毯やフィルム、布製品など、転がりやすく不安定な円筒形の荷物や長さのある荷物 |
| 建築金物・重量物 | ドアやサッシなどの建築金物や、強度が求められる重量物 |
このように、ポストパレットは形が定まらない・潰れやすいなどの理由で積み重ねが難しい荷物や、重量のある荷物を効率よく保管・輸送するために選ばれています。
支柱の種類
ポストパレットの支柱は、使用環境や荷物の形状に合わせて選ぶのが一般的です。主な支柱の種類は次の通りです。
| 折りたたみ式 | 未使用時に支柱を倒せる 空の状態なら重ねられ、保管スペースを抑えられる |
| 固定式 | 支柱が固定され可動部がなく耐久性に優れている 支柱を立てたり組み立てたりする手間がかからない |
| 高さ調整式 | 荷物の量や高さに合わせて支柱を調整できる 必要に応じて柔軟に高さを変えられる |
保管スペースを有効活用したい場合は折りたたみ式、荷物を常に移動させる・折りたたむ手間を省きたい場合は固定式、さまざまな荷物を柔軟に載せたい場合は高さ調整式がおすすめです。
ポストパレットの特徴
先述の通り、ポストパレットはパレットとラックの役割を併せ持っています。
その役割から見える特徴を押さえておくと、自社の荷物や運用に合うか整理しやすくなるでしょう。ここからは、ポストパレットの主な特徴を4つ紹介します。
保管スペースを有効活用できる
ポストパレットは、四隅の支柱が上段の荷重を支え、荷物をつぶすことなく積み重ねしやすいのが特徴です。パレット自体を高く積み上げられるので、ラックの設備がない場所でも立体的な収納が可能になり、保管スペースを有効に活用できます。
折りたたみ式のポストパレットなら、支柱を倒すことでパレットの体積を抑えられるのも特徴です。空の状態でも重ねて保管できるため、未使用のパレットが倉庫のスペースを圧迫することはないでしょう。
耐久性に優れている
ポストパレットはスチールなどの金属製が多く普及しています。
金属製のパレットは、木製やプラスチック製に比べて衝撃に強い傾向があるので、荷物の移動や積み替えが多い現場でも取り入れやすいでしょう。
また多くの製品には、焼き付け塗装や亜鉛メッキなどの表面処理が施されており、きれいな状態を保ちやすい点もポイントです。製品によっては高張力鋼板ハイテンを採用し、軽量化と堅牢性を両立したものもあります。
積載能力が高い
ポストパレットはより多くの荷物を積載しやすい点が特徴です。
支柱が上段パレットの荷重を支えることで下の荷物に負荷がかかりにくく、重い荷物やつぶれやすい荷物でも高く積み上げやすくなります。そのため、平パレットやボックスパレットでは安定しにくい重量物の保管・輸送に取り入れやすいでしょう。
ポストパレットを運用する際は、自社の荷物に適しているか耐荷重表示を事前に確認しておくと安心です。
安定性がある
ポストパレットは支柱が荷物をしっかりと囲い、保管時や輸送時の振動・衝撃による荷崩れを防げるのが特徴です。
また積み重ねた際、上段のパレットの重さは下段の荷物ではなく支柱にかかります。これにより荷重がかかっても重心が安定し、下の荷物をつぶすことなく安全に保管できます。
さらに荷物を支柱で固定した状態のままフォークリフトで積み込めるので、保管から輸送までの作業を安全に進めやすいでしょう。支柱が荷物を支えているため、他のパレットでの輸送時に比べて、梱包や固定する作業を減らせるのもポイントです。
ネスティングラックとの違い

ネスティングラックとは、荷物を載せたパレットをそのまま収納できる可動式のラックです。
固定棚のような設置工事を行わずに必要な場所に置けるので、レイアウトを変えやすいという特徴があります。また使用しないときはラック同士を重ねて保管できるため、倉庫内の保管スペースを抑えるのに役立つでしょう。
なおネスティングラックには搬送用の底板がなく、出荷する際は荷物を別のパレットへ載せ替えたり、荷姿を固定したりする工夫が必要です。
一方のポストパレットは、荷物を直接積載できます。保管場所の移動からトラックへの積み込みまで荷物を載せたまま行えるため、積み替えの手間を削減できます。
このようにネスティングラックとポストパレットには、荷物の扱い方に違いがあります。保管レイアウトを柔軟に変えたい場合はネスティングラック、保管と輸送をスムーズに行いたい場合は、ポストパレットを選ぶと良いでしょう。
その他のパレットとの違い
ポストパレットが自社に合うかを判断するには、他のパレットとの違いを押さえておくことが大切です。
ここからは、代表的なパレットについて紹介します。形状や用途によって使用に適した場面が異なるため、それぞれのパレットの特徴を確認しましょう。
平パレット
平パレットは汎用性が高く、コストを抑えやすいのが特徴です。ただし保管で高さを出すには、ラックなどの設備が別途必要になります。
また荷物を載せたまま重ねると上段の重さが下段にかかるため、箱に入った商品や形が整った定型物以外は積みにくいでしょう。
さまざまな形の荷物を保管したい場合や、立体的に保管して上部の空間を活用したい場合には、ポストパレットが選択肢の一つとなります。
ボックスパレット
ボックスパレットは側面が網や板で囲まれているため、バラバラになりやすい小物や不定形な荷物が崩れて外へ落ちるのを防げるのが特徴です。ポストパレットと同様に積み重ねやすく、倉庫の高さを活用した保管に向いています。
使用する際には荷物の形状を踏まえ、安定しない荷物にはボックスパレット、重いものやつぶしたくない荷物にはポストパレットを選ぶと良いでしょう。
シートパレット
シートパレットとポストパレットは特徴が対照的です。
シートパレットは紙や樹脂製の薄いシート状で、軽量で保管場所を取りにくい点が特徴です。ただし運搬には「プッシュプル」という専用装置付きのフォークリフトを使う必要があります。
対してポストパレットは金属製の枠組みを持ち、重さと厚みがあります。支柱を折りたためるタイプなら省スペース化を図れますが、シートパレットほどコンパクトにはなりません。荷物を載せたまま通常のフォークリフトで扱いやすく、トラック輸送までスムーズにできます。
特徴がそれぞれ異なるため、用途に合わせて適切に使い分けましょう。
サイロパレット
サイロパレットは、小麦粉や飼料、セメントなどの粉粒体を運ぶ用途に特化したパレットです。粉が外に漏れないよう、側面が完全に密閉されたサイロ状の容器になっています。
一方のポストパレットは、フィルムや絨毯などの長尺物、建材や機械部品などの重量物といった固形物を載せるのに向いています。
タンクパレット
タンクパレットは、液体を漏らさず安全に運ぶためのパレッ
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