スポット運送とは？メリット・デメリットや選び方を解説
2024/09/24
基礎知識
スポット運送はその柔軟な対応力とコストパフォーマンスの良さから、近年物流業界で注目を集めている配送方法です。聞いたことはあるものの、具体的な配送方法やチャーター便・ルート便（定期便）との違いなどを明確に把握できていない方もいるのではないでしょうか。
スポット運送を物流プロセスに取り入れるなら、その概要や特徴、メリット・デメリット、運送に用いられる車両などを網羅的に把握しておくことが欠かせません。
そこで本記事では、スポット運送の概要やチャーター便・ルート便（定期便）との違い、利用がおすすめのシーン、使われる車両の種類などを網羅的に解説します。記事後半では、スポット運送のメリット・デメリットや、依頼する方法、利用する際の注意点などを網羅的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
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スポット運送（スポット配送・スポット便）とは？
スポット運送とは、特定の運送ニーズに応じて一時的に契約される単発の輸送サービスです。スポット配送やスポット便などとも呼ばれます。
スポット運送は定期的な配送と異なり、特定の時期や条件でのみ利用されることが多い点が特徴です。緊急の配送や突発的な配送ニーズに対応するために利用され、各依頼ごとに契約が成立し、運送の日時や条件が依頼ごとに異なります。
詳しくは後述しますが、スポット運送を利用するには取り扱いのある運送会社に直接連絡する方法と、配送マッチングサービスを活用して依頼する方法の2つがあります。
スポット運送への理解を深めるために、チャーター便とルート便（定期便）との違いを詳しく見ていきましょう。
チャーター便との違い
チャーター便とは、特定の荷主が専用の車両を一定期間借り切って利用する輸送サービスです。荷主が定期的に大量の荷物を一括して運ぶ際に利用されることが多く、契約期間中は指定された車両がその荷主の荷物を運搬するためだけに使用されます。
スポット運送とチャーター便の違いは、契約形態と利用目的です。スポット運送は突発的なニーズや緊急の配送の際に1回切りで利用されますが、チャーター便は一定期間車両を貸し切って使用できます。チャーター便は複数の配送先がある場合によく利用され、契約期間中は往復できるため一回当たりのコストは割安となります。
ルート便（定期便）との違い
ルート便（定期便）とは、特定の荷主やエリアに対して、決まったスケジュールやルートで定期的に荷物を配送するサービスです。例えば、毎週月曜日と木曜日に特定の配送先へ荷物を届けるなどのように、あらかじめ決められたルートと時間帯で運行されます。
ルート便と比較しスポット運送は、単発的で一度きりの契約に基づく輸送サービスであり、特定の時期や条件でのみ利用されるのが一般的です。突発的なニーズや緊急配送への対応がしやすいでしょう。
スポット運送の利用がおすすめのシーン
スポット運送は、以下のようなシーンで利用するのがおすすめです。
● 一時的・突発的な配送ニーズがあるとき：「今日中に配送したい」「深夜便で午前中に商品を届けたい」など一時的・突発的に依頼に対応できる
● 単発イベントで搬入・搬出する場合：夜間や早朝に商品をイベント会場へ運ぶための緊急配送依頼を請け負える
● 配送トラックの数が需要に追いつかないとき：年末年始や引っ越しシーズンなど、貨物車両が不足する繁忙期に、メーカーや小売店からの依頼に対応できる
● 大型のトラックでは配送できない場所に届けるとき：小回りの利く自転車・バイクや軽貨物車は、大型トラックが入れない細い道や入り組んだ場所での配送に適している
スポット運送に使われる車両の種類
スポット運送に使われる車両には、主に以下が挙げられます。
● 自転車・バイク
● 軽貨物車
● トラック
それぞれの車両がどのような用途で用いられるかを詳しく見ていきましょう。
自転車・バイク
スポット運送には自動車やトラックだけでなく、自転車・バイクなども活用されます。これらの車両は小回りが利きやすいため、都市部の狭い道や交通渋滞が多いエリアでの配送をスムーズにします。
軽貨物車
軽貨物車は小回りが利き、大型トラックが入れない狭い路地や住宅街への配送に適しています。バイクや自転車と比較するとより多くの荷物を運べるため、さまざまな配送ニーズに応えることが可能です。
トラック
トラックは大量の荷物を一度に運搬できるため、大きな建築資材や大量の商品など、重量物や大規模な荷物の輸送に適しています。3〜4トントラックは特に多く利用され、バイク便や軽貨物車両では対応できない量や重さの荷物を効率的に運ぶことが可能です。
スポット運送のメリット
スポット運送のメリットは、以下の3つです。
● 荷物の破損を防止できる
● 急ぎの荷物も届けられる
● 狭い場所にも荷物を送れる
それぞれのメリットを解説します。
荷物の破損を防止できる
スポット運送のメリットの一つに、荷物の破損を防止できる点が挙げられます。これは、スポット運送では荷物が他の荷主のものと混載されず、専用の車両で直接配送されるためです。
複数の荷主からの荷物を同時に運ぶ配送形式では、異なる荷物が一緒に運ばれる際に衝突や摩擦が起きやすく、破損のリスクが高まります。しかし、スポット運送は貸し切りなので破損するリスクが低く、荷物が目的地まで安全に届きます。特に精密機器や壊れやすい商品、貴重品の輸送に適しているでしょう。
急ぎの荷物も届けられる
急ぎの荷物を届けられる点も、スポット運送のメリットの一つです。スポット運送は特定の荷物だけを専用車両で配送するため、他の荷物の積み下ろしのために経由地を走る必要がありません。
そのため、緊急性の高い配送依頼に対して、スピーディーに対応できます。特に、ビジネス上の重要な書類や急ぎの部品など、即時性が求められる荷物の輸送において、スポット運送は効果的な選択肢となるでしょう。
狭い場所にも荷物を送れる
狭い場所にも荷物を送れる点も、スポット運送のメリットです。軽貨物車両やバイク便などは特に小回りが利くため、狭い路地や住宅街などの大型トラックが入れない場所でもスムーズに荷物を届けられます。比較的小型の商品や部品を運ぶ際には、スポット便を利用すると便利でしょう。
スポット運送のデメリット
スポット運送には、先述したメリットだけでなくデメリットもあります。利用するに当たってはデメリットも把握しておく必要があるので、詳しく見ていきましょう。
まず挙げられるのが、料金が割高になりやすい場合がある点です。スポット運送は単発の依頼ごとに料金が設定されるため、通常の配送方法と比較して料金が高く、特に長距離輸送や少量の輸送はコストが増加します。
加えて、対応地域が限られている点もデメリットです。運送会社がカバーできる地域が限られている場合があり、希望する配送先が対応エリア外の場合、サービスが利用できない可能性があります。特に地方や遠隔地への配送では、スポット運送に対応している会社が少ないケースがあるので、事前に確認しておきましょう。
スポット運送を依頼する方法
スポット運送を依頼する方法は「スポット運送を行っている会社へ連絡する」「配送マッチングサービスを活用する」の2つです。それぞれの方法をご紹介します。
スポット運送を行っている会社へ連絡する
スポット運送を依頼する際、スポット運送を行っている運送会社に直接連絡すると確実です。まず、運送会社に電話やメールで連絡し、荷物の種類、配送先、希望日時、特別な条件などを詳細に伝えましょう。
運送会社にて車両とドライバーを準備できれば、依頼が可能です。定期便を主に行っている会社では、急な依頼には対応できない可能性があるので、事前に運送会社の特徴は確認しておきましょう。
なお、キーフェル株式会社も、スポット運送を請け負っております。全国各地、200km以上の長距離運送便を手配可能です。年間8,000件以上の取引実績があり、納得のコストパフォーマンスでサービスを提供しています。
配送マッチングサービスを活用する
スポット運送を依頼するもう一つの方法は、配送マッチングサービスの活用です。荷主と運送会社やドライバーをつなぐプラットフォームを活用すれば、依頼者が希望する条件に合った車両やドライバーをスムーズに見つけられます。さまざまな配送マッチングサービスがあるので、利用のしやすさや料金などを比較して最適なサービスを選択しましょう。
スポット運送を利用する際の注意点
スポット運送を利用する際は、トラブルに発展しないよういくつか注意点があるので解説します。
まず挙げられるのが、料金やサービスの透明性です。スポット運送は急な依頼となるケースが多く、時間帯や需要によって料金が変動する場合があります。そのため、事前に見積もりを依頼し、料金が明確かを確認しましょう。口コミや過去の実績をチェックするのもおすすめです。
また依頼する際は、具体的な配送条件を明確に伝えておくことが重要です。荷物のサイズ、重量、集荷地、配送先の詳細などを正確に伝えることで、適切な車両とドライバーが手配され、スムーズな配送が可能となるでしょう。
さらに、配送のトラブルに備えて、保険の確認をしておくことも欠かせません。万が一事故や破損があった場合、保険が適用されるかどうか、どの程度の補償があるかを確認しておくことで、安心して利用できます。
まとめ
スポット運送とは、特定の運送ニーズに応じて一時的に契約できる単発の輸送サービスです。一時的・突発的な配送ニーズがあるときや、配送トラックの数が需要に追いつかないときによく活用されます。
スポット運送には、荷物の破損を防止できる他、急ぎの荷物も届けられたり、狭い場所にも荷物を送れたりするメリットがあるので、利用を検討してみましょう。その際は、長距離輸送や少量の荷物の配送では割高になる、対応地域が限られているなどのデメリットは把握しておいてください。
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