パレット梱包とは? パレットの種類やメリット・デメリットを徹底解説!
 
                        2025/10/24
基礎知識
物流の現場では、効率的に荷物を運び、限られたスペースを有効に活用する工夫が欠かせません。しかし業務を進める中で「荷物の運搬に時間がかかる」「スペースをもっと活用したい」と感じている方もいるのではないでしょうか。そんなときに役立つ方法の一つが、パレット梱包です。
本記事ではパレット梱包の特徴やメリット・デメリット、運用時に気を付けたいポイントなどを分かりやすく解説します。
物流の現場をより安全かつ効率的に進めるためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
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パレット梱包とは?
パレット梱包は、複数の荷物を一枚のパレットにまとめて積み上げる梱包方法です。
パレットとは多くの荷物をまとめて載せることができる台のことで、フォークリフトやハンドリフトを使えばパレットごと荷物を動かせます。そのため作業効率の向上や、現場スタッフの負担を軽減できる点が大きな特徴です。
このようにパレット梱包は、物流・運送の現場で欠かせない基本的かつ重要な梱包方法といえるでしょう。
パレット梱包とスキッド梱包の違い
パレット梱包と同じ代表的な梱包方法として、スキッド梱包というものもあります。パレット梱包とスキッド梱包は、どちらも荷物を載せて積み上げる方法ですが、構造や特徴に違いがあります。
パレット梱包で使用するパレットは、ケタやブロックと呼ばれる木材部品の上下にデッキボードが付いているのが特徴です。安定性や耐久性に優れており、食料品・日用品・衣類などのさまざまな製品を大量保管するのに適しています。さらにパレットごと積み重ねて保管・運搬できるため、効率的に運用できるのも大きなメリットでしょう。
一方のスキッド梱包で使用するスキッドはすのこのような構造となっており、ケタやブロックの下部にデッキボードがありません。そのためスキッドは木材の使用量が少なく、比較的低コストで運用できる点が強みでしょう。主に工作機械や鉄鋼製品など、大型で重量のある荷物を扱う際に適しています。
ただし、スキッド梱包は積み重ねができないため、パレット梱包よりも保管や運搬の効率が下がる傾向がある点には注意が必要です。
パレットの特徴
パレットは物流現場で幅広く利用されており、荷物を効率的に管理するために欠かせない存在です。
パレット自体もさまざまな形状や材質のものがあり、それぞれの種類を理解することで、より効率的かつ安全に作業を進められます。用途に応じて使い分けられるよう、パレットの代表的な種類と材質を見ていきましょう。
パレットの種類
パレットは種類によって形状が異なり、積みやすさや保管方法に違いがあります。代表的なパレットの特徴を確認し、適切なパレットを選べるよう役立てましょう。
| 種別 | 特徴 | 
| 平パレット | ●	フォークリフトの差し込み口がある平らな形状で、荷物の搬入や運搬をしやすいのが特徴 ● サイズは縦1100mm・横1100mmが一般的 ● 商品や国によって使用するパレットの大きさは異なる | 
| ボックスパレット | ●	鉄製の板で側面を3面以上囲んだパレット ● 側面の壁は、固定式、取り外し式、開閉式、ふた付きなどさまざまなタイプがある | 
| ポストパレット | ●	パレットに支柱が付いているため、強度が高く荷物を積んだまま縦に重ねられる ● 支柱には固定式、折りたたみ式、取り外し式などがある | 
| シートパレット | ●	特殊クラフト紙や合成樹脂を用いたシート状の薄型のパレット ● 縁を立ち上げられるため、商品が滑りにくいのが特徴 ● 積載効率や保管効率に優れており、専用のフォークリフトを使って運搬する | 
パレットの種類は、平パレットを使用するのが一般的です。また米や肥料、飼料など袋物の管理には、シートパレットがよく使用されています。
パレットの材質
パレットを選ぶ際には、形だけでなく材質も確認することが大切です。作業環境に合った材質を選ぶことで、より長く安全に活用できます。
代表的なパレットの材質の特徴を確認していきましょう。
| 材質 | 特徴 | 
| 木製 | ●	木材で作られた一般的なタイプ ● 湿気に弱く、害虫が付着する可能性がある ● 輸出に使う場合は、害虫の被害を防ぐために熱処理が義務付けられている | 
| プラスチック | ●	樹脂製で作られており、耐久性に優れている ● 湿気に強く衛生を保ちやすい ● 経年劣化によって割れやすくなる場合がある | 
| 段ボール | ●	軽量で低コストで使用できる ● 強度に限界があるため、基本的には一度きりの使用が推奨されている | 
| 金属 | ●	頑丈で耐久性が高く、重量物の管理に向いている ● 使用環境によっては錆が発生する可能性がある | 
パレットの材質は、木製やプラスチックのものが一般的に使用されています。フォークリフトを使わずにそのまま運用する場合は、頑丈な金属製が利用される傾向が強くなります。
主なパレットパターン

「パレットパターン」とはパレットの上の荷物の積み方のことです。
用途に合わせた積み方のポイントを押さえておけば、安定した作業を効率的に進められるでしょう。
ここからは代表的なパレットパターンを4つ紹介します。商品の品質維持や荷崩れ防止を意識すれば、荷物の破損が減りコスト削減につながる可能性もあるので、ぜひ参考にしてください。
ブロック積み
ブロック積みは、荷物を同じ方向へ規則的に積み上げる一般的な方法です。
積み方がシンプルなため荷物を素早く積み上げられる上、取り出す際もまとめて行える効率性の高さがメリットです。特徴として、上方向からの力には強いですが横方向からの力には弱いので、輸送中の横揺れで荷崩れしないよう注意しましょう。
ブロック積みは、電化製品やたばこ、ワインなど多くの貨物の輸送に利用されています。
レンガ積み
レンガ積みは、1つの段に縦向きと横向きの荷物が混在するように置き、その上の段には、元の配置をそのまま180度反対にしたものを置いていく積み方です。
荷物が互い違いに積み重なるため、横方向からの力に強く荷崩れしにくいのが特徴です。また外側から見える荷物の向きが一定でなく、積み方によっては全ての荷物を外から確認できるため、検品しやすい点もメリットといえるでしょう。
ただしレンガ積みは段ごとに荷物の向きを変えて積むことから、積みあがった荷物全体が長方形になりやすいため、正方形のパレットではスペースのロスができてしまい、積みにくくなる場合があります。
ピンホール積み
ピンホール積みは、荷物の長辺をパレットの縁に合わせて積み上げる方法です。風車のような形になることから「風車積み」や「風車形積み付け」と呼ばれるケースもあります。
荷物の向きを反転させながら積むため、横方向の力に強く荷崩れを防ぎやすいのが特徴です。また中央部分が空洞になるので、通気性に優れており外気に触れる面が広がります。そのため冷蔵や低温輸送など、温度管理が求められる食品や医薬品に向いている積み方といえるでしょう。
交互積み
交互積みは、1段ごとに荷物の向きを90度変えて積んでいく方法です。
横方向の力に強く、荷崩れが起きにくいのがメリットです。しかし縦横の長さが同じ荷物でなければ利用できないため、適用可能な荷物に限りがある点はデメリットといえるでしょう。
もしも荷物の寸法が合わない場合は全体の形が崩れ、パレットからはみ出す可能性があるため注意が必要です。
パレット梱包のメリット
パレット梱包には、作業の効率化や荷物の品質維持につながるさまざまなメリットがあります。
またパレットの梱包を工夫することで、荷物の保管や運搬のしやすさが大きく変わります。ここからは、パレット梱包を工夫する主なメリットを3つ紹介します。
運搬時間を短縮できる
パレット梱包は大量の荷物をパレットに載せ、まとめて運べるのが特徴です。うまく活用することで、作業の手間を減らし運搬時間を短縮する効果が期待できます。
またパレットの上部に遮るものがなく視認性が良いため、積み込みや積み降ろしの際の見落としを防げるでしょう。これにより、運搬をさらに効率的に進められるはずです。
さらにはパレット単位で荷物を管理できるので、運搬だけでなく在庫の把握や保管の効率化にもつながります。
スペースを有効活用できる
パレット梱包を工夫すると、倉庫のスペースをより有効に活用できる点もメリットの一つです。
パレットを使うことで荷物の積み上げ場所をパレットに合わせて整えられるため、倉庫内で荷物の配置がしやすくなり、保管時のスペースを有効に活用できます。
また荷物をトラックへ積み込む際も無駄な空間が生まれにくくなるので、1台当たりの積載率を高められる点も大きなメリットでしょう。
荷物の破損リスクを低減できる
パレット梱包は、手作業と比べて荷物の積み込みや積み降ろしの回数が少なくて済むため、破損リスクを低減できるのが大きなメリットです。
手作業では荷物を運んだり持ち上げたりする際に、一部に強い力がかかることがあります。しかしパレットをフォークリフトで適切に運搬すれば、人が荷物に直接触れないため、人為的な理由による破損や汚損の防止に役立つでしょう。
このようにパレット梱包を活用することで、荷物に無理な力が加わらず、商品の品質を良好な状態で管理できるのが特徴です。
パレット梱包のデメリット
パレット梱包には多くのメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。
ここからはパレット梱包の主なデメリットを3つ見ていきましょう。倉庫の環境によっては不便さを感じる場合もあるため、あらかじめ把握しておくことが大切です。
フォークリフトが必要になる
パレット梱包は、フォークリフトがないと移動できない点がデメリットです。納品先にフォークリフトがない場合は人が荷物を一つずつ移動させる必要があり、かえって作業効率が大きく下がってしまう可能性があります。
またフォークリフトの操作ができる人員の確保や、フォークリフトが通れる通路幅を考えたレイアウト設計など、環境面の事前準備も必要です。
なお少量の荷物を扱う際は、パレット梱包ではなく手作業の方が効率的なケースもあります。
荷崩れのリスクがある
運搬時の揺れによって荷崩れするリスクがある点も、パレット梱包のデメリットです。
荷崩れを防ぐには、以下の点を意識すると良いでしょう。
●	適切なパレットパターンを選ぶ
●	重い荷物や硬いものを下に、軽い荷物や軟らかいものを上に積む
●	最上部に重しとなる荷物を載せる
●	最後に荷物全体をフィルムやバンドで包装する
上記の中でも特に意識したい点は、最後にフィルムやバンドで包装することです。荷物全体を締め付けられるため、運搬時の荷崩れを防いでくれる役割があります。しかしこの包装を外す際は、荷崩れを起こす可能性があるため注意が必要です。
スペースの確保が求められる
荷物の保管やフォークリフトの移動には大きなスペースが必要となります。そのためパレット梱包を活用するには、十分なスペースを確保しなければなりません。
また狭い倉庫や工場でパレットを使用すると、作業スペースが減少する可能性があるため注意が必要です。特に、新たにパレット梱包を導入する際は、倉庫や工場の広さをあらかじめ確認しておくことが求められます。
さらには、使用していないパレットを床に置いたままにするのも、十分なスペースを確保できない原因となるでしょう。限られたスペースを有効に使うために、不要なパレットを整理しておく点もポイントです。
パレット梱包で気を付けたいポイント

パレット梱包をより活用するには、単に荷物をまとめるだけでなく、安全性や効率を意識した工夫が欠かせません。
積み方や取り扱い方を誤ると、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。安全に効率よく運用するためにも、パレット梱包を導入する際に気を付けたいポイントを確認していきましょう。
荷崩れの対策をする
パレット梱包で気を付けたいポイントの一つが荷崩れの対策をすることです。
中でもパレットに積んだ荷物全体をフィルムやバンドで包装することは、安全に荷物を運ぶために重要です。包装には以下のような方法があります。
| 包装 | 特徴 | 
| ストレッチフィルム | ●	機械や手動で巻ける ● 手動で巻く作業は「ラップ巻き」と呼ばれている ● 大きな荷物や、細かい備品をまとめるのに向いている ● 一度巻いたフィルムは巻き直しができない | 
| シュリンクフィルム | ●	熱を加えると縮む特性があり、容器の形状に合わせて包装できる ● 雑誌やペットボトルをまとめるのに向いている ● 専用の機械が必要になるため初期コストがかかる | 
| PPバンド | ●	耐水性に優れている ● タイヤの結束や発泡スチロールをとめるのに向いている ● 荷物の重さによっては、荷物の変形や破損につながる | 
荷物の種類や形状に合わせて適切な方法を選び、荷崩れを防ぎましょう。
異物混入を避ける
パレット梱包の際、異物の混入を避けることも気を付けたいポイントの一つです。
虫の混入を防ぐためには、窓を閉めたり網戸や防虫ライトを設置したりといった基本的な対策が欠かせません。
また梱包作業に使用するカッターやテープなどのツールが紛れ込まないように、置き場所を決めておくと良いでしょう。さらに作業者の所持品が混入しないように、作業場に持ち込むもののルールや服装の基準をあらかじめ決めておくとより安心です。
ヒューマンエラーを防ぐ
パレット梱包では、作業者のミスが大きなトラブルにつながる場合があります。そのためヒューマンエラーを防ぐことも、重要な気を付けたいポイントです。
例えば梱包手順を間違えないよう、梱包後に作業者自身がサインをする仕組みを設けると良いでしょう。責任意識が高まり注意喚起になるだけでなく、問題が起きた際にも状況をすぐに確認しやすくなります。
また書類や付属品などの同梱漏れを防ぐには、必要な分だけをあらかじめ梱包場所に準備し、作業後に残数を確認することが有効です。
このようなヒューマンエラーを予防するためには、組織の仕組みを整え現場全体の作業精度を向上させることも重要です。
まとめ
パレット梱包は、運搬や保管の効率化、荷物の破損リスク低減など、作業現場に多くのメリットがあります。一方でフォークリフトやスペースの確保など環境の事前準備も欠かせません。適切な積み方や包装方法を取り入れながら、より安全で効率的な物流を実現しましょう。
キーフェル株式会社では、さまざまな材質のパレットを幅広く取り扱っており、中には廃プラスチックを100%原料としたリサイクルパレットもご用意しています。新品だけでなく中古・レンタルにも対応しているため、予算や利用期間に合わせて選べるのも特徴です。さらに会員登録不要なため、すぐに注文できる手軽さもうれしいポイントといえるでしょう。
パレット梱包を取り入れたい方や、より効率的な運用方法を相談したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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