中軽量ラックとは?中量・軽量・重量ごとの違いや活用シーン、選び方を解説
2024/08/21
基礎知識
物流倉庫では、荷物の一時的な保管や運搬を行うためにラックが用いられます。一口にラックといっても、いくつかの種類があるためそれぞれの目的や用途、特徴に応じて使い分けるのが重要です。
本記事では、中軽量ラックの概要や耐荷重ごとの違い、使用するメリット・デメリットをご紹介します。記事後半では、中軽量ラックの選び方や適した活用シーンなども解説するので併せて参考にしてください。
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中軽量ラックとは?
中軽量ラックとは、主に工場や倉庫、店舗などで用いられるスチール製の収納棚です。耐荷重が一段当たり200キロ前後であり、後述する軽量ラックよりも重量のある荷物を収納できます。組み立てや連結が容易で、汎用性も高く、さまざまな用途に用いられるのが特徴です。
中軽量ラックは主に、以下のようなシーンで使用されます。
● 工場・倉庫:工具や部品、資材の整理整頓に用いられる。
● オフィス:資料や書類、備品の収納に適している。
● 店舗:商品や備品をまとめる際に用いられる。
基本的には、強度と安定性を確保するための支柱と、収納物を載せる棚板の構造からなりますが、以下に挙げるオプションの構造物がある場合もあります。
● キャスター:ラックの移動性が向上する。安全性を考慮し、ストッパー付きのキャスターにするのがおすすめ。
● 間仕切り板:設置すると小さな部品やアイテムを分けて整理しやすくなる。
● 転倒防止ベース:衝撃や揺れによる転倒を防止できる。
● 落下防止バー:取り付けると、間口から収納物が落下するのを防止できる。落下による損傷や、事故が起こるリスクを下げるためには使用するのがおすすめ。
● 落下防止ベルト:効果は落下防止バーと同じ。「特定の段にのみ取り付ける」「精密機械・重量物の段には複数本取り付ける」など柔軟な対応が可能。
● 金網:側面や背面からの収納物の落下を防げる。落下防止バーや落下防止ベルトと併用すると、前後左右から落下を防止できる。
● アジャスター:脚の高さを数ミリ単位で微調整できる。
必要に応じて上記の構造も付け加えると良いでしょう。
中量・軽量・重量ごとの違い
中軽量ラック以外にも、収納ラックは重さに応じて中量・軽量・重量などの種類に分けられます。それぞれの特徴や違いなどを詳しく見ていきましょう。
中量ラック
中量ラックは、工場や倉庫、オフィスなどで幅広く使用されているラックです。製品により詳細は異なりますが、1段当たりの耐荷重は200kgから400kg程度で、軽量・中軽量ラックよりも重量のある物品を収納するのに適しています。
パレットを使用せずバラやケースで保管する場合は、後述する重量ラック(パレットラック)よりも使い勝手が良いでしょう。
軽量ラック
軽量ラックとは、主に軽量物の収納に適したラックです。1段当たりの耐荷重は120~150kg程度で、比較的小さめの商品や軽めの荷物の収納に用いられます。例えば、雑貨やアパレルなどです。
軽量ラックは組み立てや分解が容易な点も特徴に挙げられます。ボルトレスタイプのものもあり、このタイプは支柱や棚板を差し込むだけで固定できるため、短時間で組み立てが完了します。そうでないタイプでも、パーツが少なく、組み立てにそこまでの時間は要しません。
先述した中量ラックとの大きな違いは、支柱の形状です。軽量ラックでは、一回折り曲げ加工の「L字型」の支柱が採用されているのが一般的で、この形状により軽量物の収納に適しています。中量ラックの場合は、四回折り曲げ加工された「コの字型」の支柱が採用されており、この構造により重い荷物でも支えることが可能です。また、棚板の厚みもある分、耐荷重性能が向上しています。
重量ラック
重量ラック(パレットラック)とは、パレットごと荷物を収納するような大型スチールラックや業務用スチールラックを指します。耐荷重は少なくとも500kg以上あるケースが多く、2,000〜3,000kgもの荷重に耐えられるものもあります。軽量・中軽量・中量ラックでは収納不可能な、電子機器や大型の製品の収納にも安心して使用が可能です。
また重量ラックは重たい荷物を収納する場合だけでなく、パレットごと運搬して業務効率を高めたい場合にもおすすめです。
中軽量ラックのメリット
中軽量ラックを利用するメリットは、以下の通りです。
● 幅広い用途に対応できる
● 比較的コンパクトである
● 耐久性も兼ね備えている
● 棚板の高さを自由に調整できる
● 組み立て・分解しやすい
まず挙げられるのが、幅広い用途に対応できる点です。資料・本やオフィス書類、OA機器の整理などから、倉庫やバックヤードで使う大容量収納ラックまで、多岐にわたる業務シーンで用いられます。
耐荷重に応じてラックはいくつかの種類に分けられますが、その中でも中軽量ラックは比較的コンパクトである点もメリットです。スペースが限られたところで、効率的に運用できるでしょう。
中軽量ラックは耐荷重が小さい部類に入るため、耐久性が気になる方もいるでしょう。一部の中軽量ラックではC型形状の支柱が使われており、重さや衝撃にも耐えられる高い強度を保ちます。
また、棚板の高さを自由に調整できる点も、メリットの一つです。収納物の大きさに合わせてレイアウトを自由に変更できるので、収納効率が向上し、さまざまな形状・大きさの物品を効率的に収納できます。なお棚板が調整可能かどうかは、製品によって異なるケースもあるので、購入時には十分確認してください。
さらに、組み立て・分解しやすい点も重要なメリットです。多くの中軽量ラックではボトルレス設計が採用されており、専用の工具を使用せずに、簡単に組み立てや分解が行えます。設置やレイアウト変更、移設が手軽に行えるため、頻繁にスペースのレイアウトを変更する場合にも便利となるでしょう。
中軽量ラックのデメリット
中軽量ラックは先述したメリットだけでなく、デメリットもあります。使用するに当たっては、デメリットも把握しておくことが重要なので、詳しく見ていきましょう。
中軽量ラックのデメリットとしてまず挙げられるのが、耐荷重が軽量ラックより高いとはいえ、重量のある荷物の保管には適していない点です。重量物を取り扱う場合は、中量ラックもしくは重量ラックを選択する必要があるでしょう。
軽量ラックと比較して高さは同程度ですが、奥行きがあるため設置スペースが制限される場合がある点もデメリットです。
また、中軽量ラックは棚板の荷重が大きいことから、軽量ラックよりも天地台数が少なめに設定されます。天地台数とは、天板・棚板・地板を含む全ての段数の合計です。中軽量ラックでは必然的に段数が少なくなるため、収納スペースの効率が低下する可能性がある点もデメリットとなるでしょう。
中軽量ラックの選び方
中軽量ラックは、「設置スペースに合ったサイズか」「キャスターが必要か」などを軸に選びましょう。それぞれのポイントを詳しく解説します。
設置スペースに合ったサイズか
中軽量ラックを選ぶ際に重要なポイントの一つが、「設置スペースに合ったサイズか」を判断することです。製品ごとに細かい寸法は異なるので、設置する場所に適したサイズを選びましょう。
限られた設置スペースに大きすぎるラックを設置すると、移動やレイアウト変更が難しくなり、作業効率が低下すると考えられます。反対にサイズが小さすぎると、全ての収納物を収められない可能性があるでしょう。
中軽量ラックを選ぶ前に、まずは設置場所の寸法を確認し、ラックの幅・奥行き・高さがそのスペースに適合するかをチェックしてください。寸法ぴったりのものを選ぶと、通路や作業スペースが確保できなくなるので、フォークリフトを使用する場合なども想定して余裕を持たせておくことも重要です。
キャスターが必要か
ラックを頻繁に移動させることが想定される場合は、キャスターが付いていると便利でしょう。キャスター付きのラックを選べば、レイアウトの変更や荷物の出し入れをスムーズに行えます。キャスターにもいくつかの種類がありますが、ラックが自走しないようにストッパーが付いているものがおすすめです。
なおキャスターを中軽量ラックに取り付ける場合、キャスター自体の耐荷重にも注意しなければなりません。ラックの耐荷重未満でも、キャスターの耐荷重を上回っていると破損するリスクがあります。ラックの自重と荷物を含めた総重量が、キャスターの耐荷重を超えないようにしてください。キャスター自身の耐荷重を考慮すると、自ずと積載できる物は限られてしまうでしょう。
中軽量ラックに適した活用シーン
中軽量ラックに適した活用シーンには「工場の工具を保管するとき」「倉庫の金属製品を保管するとき」などが挙げられます。それぞれの活用シーンを詳しく見ていきましょう。
工場の工具を保管するとき
工場の工具保管には、中軽量ラックが適しています。工場には金属製で重量のある工具が多いため、中軽量ラックの高い耐荷重仕様を十分に生かせるでしょう。
製品にもよりますが、200kgから数百kg程度の耐荷重があるため、複数の工具もまとめて収納できます。
倉庫の金属製品を保管するとき
倉庫の金属製品を保管する際も、中軽量ラックが適しています。ねじやボルトなどの小型部品から大型の製品など、まとめて保管すると重量が大きくなる製品を効率的に収納できます。間口の広さを生かし積み上げて保管すれば、多くの製品を収納したい場合でもデッドスペースを減らすことが可能です。
まとめ
中軽量ラックとは、主に工場や倉庫、店舗などで用いられるスチール製の収納棚です。耐荷重は1段当たり200キロ前後で、比較的軽量な荷物や資料、本の保管に適しています。
中軽量ラックは、幅広い用途に対応できる・比較的コンパクトである・耐久性も兼ね備えているなどの点がメリットです。その一方で、中量ラックや重量ラックほど重量のある荷物の保管には適していない点には注意しましょう。
選ぶ場合は、「設置スペースに合ったサイズか」「キャスターが必要か」などのポイントを押さえておくことが重要です。
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