パレットの耐荷重とは? 動荷重・静荷重の基準や素材ごとの目安について詳しく解説
2026/08/17
基礎知識
物流現場では、荷物の運搬や保管を効率化するためにパレットが広く利用されています。パレットは種類や用途によって耐荷重が異なるため、基準を正しく理解しないまま使用すると、安全面や作業効率に影響を及ぼす可能性があります。
特に運搬時と保管時では確認すべき耐荷重が異なるので、それぞれの違いを把握しておくことが大切です。
この記事では、動荷重・静荷重の基準やJIS規格で定められている耐荷重、素材ごとの耐荷重や重量の目安、安全に積載するためのポイントなどについて詳しく解説します。
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パレットの耐荷重とは?
パレットの耐荷重とは、荷物を安全に載せられる重量の目安です。
使用状況に応じて「動荷重」と「静荷重」の2つの基準に分けられています。まずは、動荷重と静荷重の違いについて見ていきましょう。
動荷重(運搬時の耐荷重)
動荷重とは、荷物を載せた状態でフォークリフトやトラックなどを使用して運搬する際に、パレットが耐えられる最大重量のことです。物流現場では、運搬時の最大積載量を判断する基本的な基準として使用されています。
運搬中は振動や遠心力、発進・停止時の衝撃などが加わるので、パレットには静止時よりも大きな負荷がかかります。そのため、動荷重は静荷重の2分の1から4分の1程度とされるのが一般的です。
静荷重(保管時の耐荷重)
静荷重とは、パレットを床に置いたまま移動させず、荷物を載せた状態で耐えられる最大重量のことです。倉庫で荷物を保管する際や、段積みする際の基準として使用されます。
保管中は運搬時のような振動や衝撃が加わらないため、動荷重よりも大きな重量に耐えられるとされています。ただし、静荷重はあくまでも保管時を前提とした数値です。運搬時には動荷重を基準として確認しましょう。
JIS規格で定められているパレットの耐荷重
日本では、物流で使用する「一貫輸送用平パレット」についてJIS規格が定められています。標準的なサイズであるT11型(1,100mm×1,100mm)は、多くの物流現場で採用されており、
耐荷重は1,000kgが基準です。
耐荷重が規格として定められているため、パレットを選定する際の目安となるだけではなく、荷物の重量に応じた安全な運用を行いやすくなります。
パレットの耐荷重を確認する重要性

パレットの耐荷重を事前に確認することは、安全な物流運用を行うための基本です。使用環境に合わないパレットを使用すると、運搬や保管の効率だけではなく、安全性にも影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、耐荷重の確認が重要とされる理由を確認していきましょう。
荷崩れや事故を防ぐため
パレットの耐荷重を確認することは、荷崩れや事故を防ぐために重要です。例えば、パレットの耐荷重を超えて荷物を積載すると、パレットに過度な負荷がかかり、破損や倒壊につながる可能性があります。物流現場では、過積載による荷崩れや製品の損傷が発生するだけではなく、作業員が重大なけがを負う恐れもあるので注意が必要です。
耐荷重は、安全に荷物を運搬・保管するための基準として定められています。パレットの耐荷重を確認し、性能に合わせて適切な重量で使用すれば、現場全体の安全性を維持しやすくなるでしょう。
輸送・保管効率を維持するため
輸送や保管の効率を維持するためにも、パレットの耐荷重の確認が欠かせません。耐荷重が適していないパレットを選ぶと、積載方法や段積みが制限されたり、保管スペースを十分に活用できなかったりなど、物流全体の輸送・保管効率が低下する可能性があります。
荷物の重量や段積みの有無などを踏まえて耐荷重を確認すれば、自社の運用に適したパレットを選びやすくなり、物流業務を効率的に進められるでしょう。
フォークリフトやラックを安全に使用するため
フォークリフトやラックを安全に使用するためには、パレットの耐荷重を事前に確認しておく必要があります。耐荷重を超えた状態で使用すると、フォークリフトやパレットラックに過度な負荷がかかり、荷物の落下や転倒などの事故につながる可能性があるためです。
特に重量のある荷物を運搬したり、高い位置へ保管したりする場面では、パレットにかかる負荷が大きくなるので注意しましょう。
パレットの耐荷重を確認する際の注意点
パレットの耐荷重を確認する際は、カタログなどに記載されている数値だけで判断しないことが大切です。ここでは、安全にパレットを使用するために押さえておきたい注意点を紹介します。
使用環境や劣化によって耐荷重は変わる
パレットの耐荷重は、新品時の性能が常に維持されるわけではありません。使用環境や経年劣化によって強度が低下し、本来の耐荷重を十分に発揮できなくなる場合があります。
またカタログなどに記載されている耐荷重は、一定の条件下で測定された目安です。そのため、実際の使用状況やパレットの状態によっては、同じ重量でも負荷のかかり方が異なる場合があります。
耐荷重の数値だけではなく、実際の使用環境やパレットの状態も合わせて確認することが、安全な運用につながるでしょう。
輸送方法に応じた重量制限も確認する
パレットを使用する際は、耐荷重だけではなく、輸送方法に応じた重量制限も確認する必要があります。耐荷重を満たしていても、輸送条件によっては別の重量制限が適用される場合があるためです。
その際は、荷物だけではなくパレット自体の重量も含めた総重量で判断しましょう。輸送条件に応じて適切に対応すれば、過積載の防止や安全な輸送につながります。
【素材別】パレットの耐荷重・重量の目安
パレットは、素材によって動荷重や静荷重の目安が異なります。また安全に使用するためには耐荷重だけではなく、パレット自体の重量も合わせて確認することが大切です。
ここでは、代表的な素材ごとの目安を紹介します。
木製パレット
木製パレットの動荷重は1,000~2,000kg程度が目安です。JIS規格のT11型では、動荷重が1,000kgとされています。静荷重は動荷重よりも大きく、保管時にはより重い荷物に対応できる製品が一般的です。
重量は15~30kg程度が目安ですが、樹種や片面・両面といった構造によって異なります。そのため、耐荷重や重量は一律ではなく、製品ごとの仕様を確認して使用することが重要です。
※参考:日本産業規格.「木製平パレット」.(参照2026-07-29).
プラスチック(樹脂)製パレット
プラスチック(樹脂)製パレットは、動荷重1,000kg程度、静荷重2,000~4,000kg程度が一般的な目安です。物流現場で幅広く利用されており、用途に応じてさまざまな仕様が用意されています。
重量は5.5~25kg程度と幅広く、厚みや内部構造によって耐荷重や自重が調整されています。同じ樹脂製でも性能には違いがあるため、数値はあくまでも目安として考え、製品仕様を確認するようにしましょう。
金属製パレット
金属製パレットは、高い耐荷重を備えている点が特徴です。スチール製では動荷重600~3,000kg程度、静荷重2,000~9,000kg以上に対応する製品もあり、重量物の運搬や保管に使用されています。
重量は材質や仕様によって異なりますが、軽量化された製品では5~10kg前後のものもあります。耐荷重や重量はいずれも製品によって異なるため、使用前にしっかりと確認しましょう。
紙(段ボール)製パレット
紙(段ボール)製パレットは、ハニカム構造などを採用することで、耐荷重1,000kgに対応する製品もあります。軽量でありながら一定の強度を備えている点が特徴です。
重量は5kg程度と比較的軽く、パレット自体の重量を抑えられるので、トラックの積載重量の軽減にもつながります。ただし、耐荷重は構造によって異なるため、全ての製品が同じ性能を持つわけではありません。使用する製品ごとの仕様を確認することが重要です。
【知っておきたい】パレットの材質ごとの特徴

パレットを使用する際は、耐荷重だけではなく、使用環境や運用方法に合わせて材質を選ぶことも欠かせません。それぞれの材質の特徴を確認していきましょう。
木製パレット
木製パレットは、比較的安価で丈夫なため、多くの物流現場で利用されています。一方で、木材は水分を吸収しやすく、湿気の多い環境では重量が増えたり、腐食したりするリスクがあるので注意が必要です。
また海外へ輸出する際には、植物検疫の観点からISPM15に基づく燻蒸処理または熱処理が求められます。海外輸送で使用する場合は、あらかじめ対応状況を確認しておきましょう。
プラスチック(樹脂)製パレット
プラスチック(樹脂)製パレットは、水や湿気の影響を受けにくく、腐食しないので衛生的な点が特徴です。そのため、衛生管理が重視される食品業界や医薬品業界で広く使用されています。
一方で、木製パレットと比べると導入コストが高い傾向にあります。また破損した場合は修理が難しく、交換が必要になるケースも少なくありません。使用環境やコストを考慮して選ぶことが大切です。
金属製パレット
金属製パレットは長期間使用しやすい点が特徴です。高い耐久性を備えており、重量物の運搬や過酷な環境での使用にも適しています。
ただし、導入費用が高めで、重量がある点はデメリットです。そのため、耐久性だけではなく、運用コストや取り扱いやすさも考慮しながら導入を検討するとよいでしょう。
紙(段ボール)製パレット
紙(段ボール)製パレットは軽量で扱いやすく、使用後もリサイクルしやすいことが特徴です。軽量性を生かし、ワンウェイ輸送や航空輸送で活用されています。
一方で、水にぬれやすい環境や屋外での使用には向いていません。使用環境によって性能が左右されるため、自社の輸送方法や保管場所に合わせて選びましょう。
パレットの耐荷重が低下する主な原因
パレットの耐荷重は、製造時の性能がそのまま維持されるとは限りません。使用を続ける中での劣化や保管環境の影響によって、強度が低下する場合があります。
安全に使用するために、耐荷重が低下する主な原因を理解しておきましょう。
経年劣化や破損
パレットは長期間使用すると、経年劣化が進みます。またパレットの割れや欠損、変形などが生じると、本来の強度を維持できなくなる可能性もあるでしょう。
このような状態で重い荷物を載せると、パレットが破損するリスクが高まり、荷崩れや事故につながる恐れがあります。経年劣化や外観の損傷は耐荷重にも影響を及ぼす場合があるため、使用前にはパレットの状態を確認することが重要です。
湿気や温度などの保管環境
パレットの耐荷重は、保管環境によって低下する場合があります。例えば、木製パレットは高湿度の環境で水分を吸収すると、木材の反りや腐朽が進み、強度が低下する可能性があります。また紙(段ボール)製パレットは、屋外での保管や水ぬれによって劣化しやすい素材です。劣化が進行した結果、パレット本来の耐荷重を維持できなくなることもあるでしょう。
パレットの耐荷重を維持するためには、使用時だけではなく保管時の環境にも配慮することが重要です。
パレットを安全に使用するポイント
パレットを安全に使用するためには、耐荷重を守るだけではなく、積載方法や設備、重量管理にも注意しましょう。実際の運用方法によっても、安全性や作業効率は大きく左右されます。
ここでは、パレットを安全に使用するための運用のポイントを紹介します。
荷重が均等になるように積載する
パレットへ荷物を積載する際は、荷重が一部へ集中しないよう均等に配置することが重要です。一点に大きな負荷がかかると、パレットが破損しやすくなる可能性があります。
また重い荷物を下に積み、重心を低く保つのもコツです。荷重を全体に分散させると、パレットへかかる負荷を抑えやすくなり、結果として安全な運搬や保管につながります。
フォークリフトやラックなどの耐荷重も確認する
パレットを安全に使用するには、先述の通り、フォークリフトやラックなどの耐荷重も合わせて確認する必要があります。設備の能力を超えた状態で使用すると、安全な運用が難しくなるためです。
例えば、ラックへ保管する際は梁(はり)の強度を確認し、運搬時はフォークリフトなどの荷役機器の最大積載量を超えないよう管理しましょう。設備全体の耐荷重を確認すれば、より安全に運用しやすくなります。
まとめ
パレットの耐荷重には、運搬時に確認する「動荷重」と保管時に確認する「静荷重」があり、使用する場面に応じて適切に確認することが大切です。また素材によっても耐荷重や自重、特徴が異なるので、荷物の重量や使用環境、運用方法などにも考慮して選ぶ必要があります。
パレットを安全に使用するためには、耐荷重だけではなく、パレットの劣化状況や保管環境、積載方法、フォークリフトやラックなど設備の耐荷重も合わせて確認することが大切です。日頃から適切に管理・運用することで、荷崩れや事故の防止だけではなく、物流業務の効率化にもつながるでしょう。
キーフェル株式会社では、木製パレットやプラスチック製パレットをはじめ、ラックやコンテナなど物流現場に適したさまざまな物流機器を取り扱っています。中古品やレンタルも提供しているので、初期費用を抑えながら、自社の物流環境に適した商品を導入することも可能です。パレットの導入や物流環境の見直しをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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