USパレットとは? 規格・サイズやユーロパレットとの違いについて解説!

2025/03/17
基礎知識
パレットにはさまざまな規格・サイズがあり、USパレットもそのうちの一つです。サイズや規格などが、日本で使用されるパレットやヨーロッパ市場で流通しているユーロパレットとは異なるので、購入や買取依頼を検討している場合は違いを把握しておくことが重要です。
本記事では、USパレットの概要や規格・サイズ、日本での利用状況について解説します。記事後半では、USパレットとユーロパレットの違い、主要各国のパレットの規格・サイズ、USパレットの買取可否なども併せてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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USパレットとは?
USパレットとは、主にアメリカを中心に北米で広く使用されている木製・プラスチック製のパレットです。ミリメートル単位で表される日本で使用されるパレットと異なり、インチ単位で表されることが一般的です。
USパレットは国際物流でも活用されており、特にアメリカへ輸出入する際に重要な役割を果たします。アメリカ本国だけでなく、日本国内にいるアメリカ企業でもUSパレットを使用している企業もあります。
USパレットの規格・サイズ
USパレットの規格は、GMA(Grocery Manufacturers of America:食品製造業協会)やANSI(American National Standards Institute:米国規格協会)などが定めています。実際にはいくつか規格・サイズがあり、以下の表のように利用される業界により異なります。
幅×長さ(インチ) | 幅×長さ(ミリメートル) | 利用業界 |
48×40 | 1,219×1,016 | 食料品 |
42×42 | 1,067×1,067 | 電気通信・塗料 |
40×48 | 1,016×1,219 | 軍事・セメント |
48×42 | 1,219×1,067 | 化学品・飲料 |
40×40 | 1,016×1,016 | 乳製品 |
48×45 | 1,219×1,143 | 自動車産業 |
44×44 | 1,118×1,118 | 産業用容器・化学品 |
36×36 | 914×914 | 飲料 |
48×36 | 1,219×914 | 飲料・建築用資材・包装紙 |
35×45.5 | 889×1,156 | 軍事 |
48×20 | 1,219×508 | 小売業 |
上表の中でも、食品に限らず、幅広い業界で使用されているのが48×40インチのパレットです。サプライチェーンの最下流である小売業が、納品元の企業に対してGMAの標準パレットである48×40インチのパレットを使用するように求めたことから、現在ではこのサイズが主流になっています。
※参考:国土交通省.「諸外国におけるパレットの利用実態・事例調査」.(参照 2025-02-05)
USパレットは日本でも使われている?
USパレットはアメリカを中心に使用されているパレットですが、日本国内でもアメリカ企業の日本国内店舗などで使用されている場合があります。
物流において、パレットは荷物を効率的に運搬・保管できるのがメリットです。日本とアメリカではパレットの規格が統一されていないため、異なる規格のパレットが使われる現場では、入荷や出荷のたびに積替え作業が発生します。ただでさえ人手不足の物流業界で、無駄な積替え作業が発生して労働負担となっている点が問題です。
USパレットとユーロパレットの違い
USパレットとユーロパレットの違いを解説する前に、まずはユーロパレットの概要を見ていきましょう。
ユーロパレット(EPAL)とは、ヨーロッパ全域を中心に国際輸送で広く採用されているパレットです。EPAL(European Pallet Association)により認証を受けています。
USパレットとユーロパレットは、利用圏はもちろん規格やサイズが異なります。最も普及しているUSパレットが1,219×1,016mmなのに対し、ユーロパレットの基準規格は、1,200×800(×144mm)です。
また、運用方法も大きく異なります。ユーロパレットが広く用いられる欧州では、以下の運用方法が採用されています。
● 等価等枚交換方式:EPAL認証による品質保証をベースに、使用済みのパレットを同じ品質の枚数のパレットと交換する方式
● レンタル方式:パレットを必要な期間だけレンタルする方式
● 従来の方式:パレットを商品や荷物と同様に商流に乗せる方式
一方、USパレットが広く用いられるアメリカでは、レンタルパレット、パレット回収システムの利用は進んでいません。サプライチェーンの上流から下流にかけてパレットが移動するのが一般的であり、中古・再生パレットないし新品パレットの利用が主です。
主要各国のパレットの規格・サイズ
主要各国のパレットの規格・サイズは以下の表の通りです。
国・地域 | 規格・主要なルールメーカー | 主なサイズ |
日本 | JIS規格(Japanese Industrial Standards:日本産業規格) | 1100×1100×144mm |
ヨーロッパ | 国際鉄道連合(UIC)の後援を受けた欧州の鉄道会社 | 1200×800mm |
オーストラリア | CHEPなどのレンタル各社 | 1165× 1165mm |
中国 | 国家標準化管理委員会配下の中国物流標準化技術委員会 | ・1,200×1,000mm ・1,200×800mm (2022年までは1,100×1,100mmも標準規格だったが、現在は除外されている) |
韓国 | 韓国パレットプール、政府 | 1100×1100mm |
各国のパレット事情をより詳しく解説します。
※参考:国土交通省.「諸外国におけるパレットの利用実態・事例調査」.(参照 2025-02-11)
日本
日本のパレットの規格には、JIS規格が用いられています。標準サイズはJIS規格に基づくと「JIS Z 0601」で1100×1100×144mmです。幅広い業界で使用されているサイズであり、「T11型パレット」「イチイチパレット」とも呼ばれています。
標準サイズのパレット以外にも、以下のサイズが用いられています。
● 1300×1100mm
● 1400×1100mm
● 1200× 800mm
● 1100×900×140mm
● 1200×800×144mm
● 1200×1000×144mm
● 1165×1165×150mm
パレットのサイズがバラバラだと、無駄な積替え作業が発生し、運搬効率が落ちるためパレットの標準化が進められています。しかしながら、「T11型パレット」「イチイチパレット」ですら全体の32%と、標準規格の統一が進んでいないのが現状です。
標準化を進めると、パレットの稼働率が高まる他、コストを削減できたり、輸送・メンテナンスの資源を最適化できたりする効果が期待されています。
※参考:国土交通省.「パレット標準化の現状と課題」.(参照 2025-02-06)
ヨーロッパ
先述した通り、ヨーロッパでは主に1200×800mmのユーロパレットが普及していますが、1200×1000mmのパレットもあります。EPAL(European Pallet Association)により認証されており、ユーロパレットの製造やメンテナンス、販売、取引企業の審査、品質検査などを実施しています。
またユーロパレットには、EPALに加えてIPPCの認証マークがある点が特徴です。
IPPC(International Plant Protection Convention:国際植物防疫条約)とは、植物や農作物、天然資源を外部から持ち込まれた害虫や疫病から守るために設立された国際条約です。IPPCマークは、熱処理や臭化メチル燻蒸処理が行われたことを証明します。
オーストラリア
オーストラリアでは1165× 1165mmのパレットが普及しています。素材は主に木材が主流で、近年は店内展示用にハーフサイズ(775×590mm)の流通量も増えています。
オーストラリアにおけるパレットの調達方法は、パレットレンタルやパレットプールなどによる第三者からのレンタルが主流です。主要なレンタル事業者はCHEPで、60カ国以上でサービスを提供しています。
中国
中国では標準パレットの規格が年々変化しており、現在では1,200×1,000mmと1,200×800mmが主流です。パレットの標準化は、中国物流標準化技術委員会により策定されています。
自社保有のパレットを運用するのが一般的で、レンタルパレットの利用は流通量の1%程度です。材質は約80%が木製パレット、15%がプラスチック類と大半を占めています。
韓国
韓国では、主に1,100mm×1,100mm(T11型)のパレットがシェア率50%と普及しています。素材はプラスチックパレットが60%で、次いで多いのは木製パレットです。
以前の韓国パレット市場は、韓国パレットプールにより事実上の寡占状態にありましたが、現在では他の事業者が市場に参入しています。パレットプール運営事業者が契約者にパレットをレンタルし、出荷先で運営事業者が回収する仕組みです。
USパレットは買取してもらえる?
USパレットは日本で主流なJIS規格とサイズが異なるので、使用済み・廃棄予定のUSパレットの取り扱いに困っている方もいるのではないでしょうか。
状態や数量によっては、USパレットを買い取ってくれる業者もいます。その際、パレットは以下の状態にあるかを確認しましょう。
● リユース可能な状態である
● サイズがそろっている
● ある程度の枚数がある
● 業者が対応可能なエリアにある
● メーカーや企業名の印字が入っていない
なお業者によっては、海外規格のパレットは買取対象外となることもあるので、事前に確認しておきましょう。
まとめ
本記事では、主にアメリカを中心に使用されているUSパレットの規格・サイズや日本での利用状況、ユーロパレットとの違い、そして買取可否などを網羅的に解説しました。
USパレットは、日本国内でもアメリカ企業の日本国内店舗などで使用されている場合があります。日本で広く流通している規格・サイズではないですが、状態や数量によってはUSパレットを買取してくる業者もあるので問い合わせてみましょう。
キーフェルト株式会社では、USパレットの買取受付を強化しています。
弊社の買取サービスでは、売りたい商品のサイズ・枚数・写真を送っていただき、必要があれば弊社スタッフが現地にお伺いして買取査定をします。販売先が見つかり次第、弊社にてトラックを手配するのでお客さまの手間はかかりません。
使用していないUSパレットや廃棄する予定のパレットがあれば、ぜひ弊社にお問い合わせください。
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