ネスティングラックと逆ネスティングラックの違いとは?
2024/11/27
基礎知識
パレットを保管する際、平積みすると保管効率が悪くなり、多段積みにすると倒れる危険性があります。こうした課題を解消できるのが、ネスティングラックです。
一口にネスティングラックといっても、通常タイプのネスティングラック(正ネスティングラック)と逆ネスティングラックがあります。正しく活用するには、それぞれの特徴や違いを把握しておくことが重要です。
そこで本記事では、ネスティングラックと逆ネスティングラックの違いやそれぞれの利用シーンを解説します。記事後半では、ネスティングラックを活用するメリット・デメリットも詳しくご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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ネスティングラックと逆ネスティングラックの違いは?
ネスティングラックにはネスティングラック(正ネスティングラック)と逆ネスティングラックがあります。適切に活用するために、それぞれの形状や特徴などを把握しておきましょう。
ネスティングラックの特徴
ネスティングラックの特徴は、以下の通りです。
● 耐震性がある
● レイアウトを変更しやすい
● 棒状・筒状・球状の物の保管に適している
それぞれの特徴を解説します。
耐震性がある
逆ネスティングラックも地震の揺れに強い構造となっていますが、ネスティングラックは荷台が下にあるため重心が低く、さらに安定した設計です。同様にフォークリフトの衝突などの横からの衝撃にも、ある程度耐えられます。
また多くのネスティングラックはレールオン方式が採用されており、より強固な設計がされている点も特徴です。レールオン方式では、荷重や衝撃がかかるほどレールが強く噛み合います。これにより、揺れや荷崩れに対する耐性を高められます。
レイアウトを変更しやすい
ネスティングラックは、レイアウトを変更しやすいことも特徴です。荷台が下にあるため、ある程度の荷物を載せた状態でもバランスを崩さずに移動させられます。一方の逆ネスティングラックは、レイアウトを変更させる際は一度荷物を降ろし、ラック自体を移動させてから再び荷物を積む必要があります。
頻繁に倉庫のレイアウトを変更したり、商品需要に応じて配置を変えたりする場合には、ネスティングラックが適しているでしょう。
棒状・筒状・球状の物の保管に適している
ネスティングラックは荷台が下側にあり、受け箱のような形をしているためパレット以外の荷物にも柔軟に対応できます。さらに、側面にフェンスを追加したり荷台にボードを設置したりして、荷物の形状や特性に合わせて保管方法を調整できます。
その点逆ネスティングラックの場合、棒状・筒状・球状の荷物を保管する際、落下する恐れがあるため適していません。
逆ネスティングラックの特徴
逆ネスティングラックの特徴は、以下の通りです。
● 1段目には2カ所収納スペースがある
● レイアウト変更が難しい
● トータルコストが安く済む
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
1段目には2カ所収納スペースがある
逆ネスティングラックは、荷物を載せる部分が上部にあります。そのため、1段目には床と合わせて2カ所の収納スペースがあることになり、荷物の保管効率を高められる点が特徴です。ネスティングラックと比較すると、段数よりも1つ分多くの荷物を載せられます。
例えばネスティングラックと逆ネスティングラックをそれぞれ3段積み重ねる際、前者の置き場は3つ、後者は4つです。この組み合わせが10セットあれば、同じ台数を使っても10段分も多く保管できます。
レイアウト変更が難しい
逆ネスティングラックは、レイアウト変更が難しく手間がかかります。荷台が上部にあり、荷物が露出した状態で積まれているためです。荷物を載せた状態でフォークリフトを用いて移動させる場合、前方の視界と荷物の安定性が悪くなります。
レイアウト変更する際は一度荷物を降ろし、逆ネスティングラックを移動させてから再び荷物を載せる必要があり、手間がかかります。
トータルコストが安く済む
先述した通り、逆ネスティングラックには1段目に床と合わせて2カ所の収納スペースがあります。そのため、トータルコストを安く済ませることが可能です。
パレット置き場が120台必要で、ラックを3段重ねする場合を考えてみましょう。
● ネスティングラックの必要台数:3段×40台=120台
● 逆ネスティングラックの必要台数:3段×30台=90台
3段積みした逆ネスティングラックには4カ所のパレット置き場があるため、段数分までしか収納できないネスティングラックよりも必要台数が少なくなります。上記のケースでは、同じパレット置き場数を確保する際、必要台数を30台も削減可能です。
ネスティングラックもトップ(オプションパーツの一つ)を取り付ければ同じ台数で済みますが、その分費用がかかります。
ネスティングラックの利用シーン
以下のようなケースでは、ネスティングラックの利用が適しています。
● 荷物の内容・量が移り変わる通過型物流倉庫で保管したい
● 荷崩れしやすい物や背の高い物を安全に保管したい
● 筒状・球状の物を保管する際に安定させたい
それぞれのシーンで、ネスティングラックがどのように用いられるのかを詳しく見ていきましょう。
荷物の内容・量が移り変わる通過型物流倉庫で保管したい
通過型物流倉庫では、荷物が到着次第、保管せずにすぐに仕分けと積み替えを行い、次の配送に移ります。荷物の内容・量が絶えず変わるため、柔軟に保管場所やレイアウトを組まなければなりません。
そのため、柔軟にレイアウトを変更できるネスティングラックの利用が適しています。保管数が少ない場合は、コンパクトに収納できるためスペースを有効活用できます。
荷崩れしやすい物や背の高い物を安全に保管したい
荷崩れしやすい物や背の高い物を保管する場合、荷台が上部にある逆ネスティングラックを用いると不安定になります。こうした荷物を安全に保管したいケースでは、ネスティングラックの利用が適しています。
またネスティングラックには、オプションでフェンスや網状のガードを付けることが可能です。荷台にボードも設置できるため、荷物が隙間から落下するリスクも軽減できます。
筒状・球状の物を保管する際に安定させたい
筒状・球状の物を安定させて保管する場合も、ネスティングラックが最適です。
例えば筒状のタイヤなどを保管する場合、側面に転がり防止用のバーを設置すれば、タイヤを立てかけて保管できます。球状で転がりやすいタイプの荷物も、同様の対策を施せば問題なく安定させられるでしょう。
逆ネスティングラックの利用シーン
逆ネスティングラックは、天井が低く保管効率を上げたい場合や、少ない台数で多くの荷物を保管したい場合などに適しています。それぞれの利用シーンで、逆ネスティングラックがどのように利用されるかを解説します。
天井が低いので保管効率を上げたい
天井が低い場合、通常のネスティングラックを縦に積み重ねるには限界があります。もちろんネスティングラックを用いることも可能ですが、2段重ねにしたりオプションを取り付けたりするなどの対策が必要です。
その点逆ネスティングラックなら、1台で2つ分の荷物を収納できます。天井が低い倉庫で荷物を保管する際にも、逆ネスティングラックを用いれば効率的に収納スペースを確保することが可能です。
少ない台数でたくさん保管したい
逆ネスティングラックは、床も合わせて荷物の置き場所を多く確保できる点が大きな特徴です。少ない台数でたくさん保管したい場合は、逆ネスティングラックが適しているでしょう。
例えばネスティングラックを使用して120台のパレットを保管する場合、オプションを取り付けないとすると3段×40列=120台必要となります。一方で逆ネスティングラックを用いれば、同じ120台のパレットを保管するのに3段×30列=90台で足ります。
また、連結ブリッジを使用すればさらに保管効率を高めることが可能です。連結ブリッジとは逆ネスティングラックを荷台で連結するオプションです。連結ブリッジを用いることで、2台の逆ネスティングラックで3台分の保管スペースを確保できます。
ネスティングラックを活用するメリット
ネスティングラックを利用するメリットには「倉庫内の保管効率が上がる」「使用しないときもコンパクトに収納できる」などが挙げられます。それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
倉庫内の保管効率が上がる
ネスティングラックを用いれば、倉庫内の保管効率を大幅に上げることができます。縦のスペースを有効活用できるため、床面積が限られているケースでも多くの荷物をコンパクトに保管できます。
使用しないときもコンパクトに収納できる
ネスティングラックは、未使用時はコンパクトに収納できる点もメリットです。積み重ねて収納できるので、無駄なスペースを取らずに保管できます。
季節や需要により在庫数が変動した場合や一時的にラックが不要となる場合でも、スペースを有効活用できます。
ネスティングラックを活用するデメリット
ネスティングラックには、「高さ調整が難しい」「積み重ね過ぎると危険が伴う」といったデメリットもあります。ネスティングラックを使用する前に、それぞれの点について把握しておきましょう。
高さ調整が難しい
ネスティングラックは基本的に高さが固定されています。高さを調整するのが難しい点はデメリットに挙げられるでしょう。
そのため、ネスティングラックの内寸を超える高さの荷物を保管する際は、注意が必要です。保管する荷物のサイズに合わせて、最適な高さのネスティングラックを選定しましょう。
荷物の高さや設置場所に応じて高さを変えたい場合には、パレットラックの利用がおすすめです。
積み重ね過ぎると危険が伴う
ネスティングラックを積み重ねるほど倉庫の保管効率は高まりますが、高く積み重ね過ぎると危険が伴う点には注意しましょう。重量のある荷物を保管している場合、積み重ねたネスティングラックが倒壊し、重大事故につながる可能性もあります。
ネスバンド(ネスベルト)やネスティングラック連結金具などを使用し安定させることが、事故防止の対策として有効でしょう。
まとめ
ネスティングラックには、通常のネスティングラックと逆ネスティングラックの2種類があります。それぞれ、レイアウトの変更のしやすさや保管効率、積載する荷物の安定性などに違いがあります。どちらの使用が適切かはシーンによって異なるので、活用に当たってはこれらを把握しておきましょう。
また実際に活用する際は「倉庫の保管効率を高められる」「コンパクトに収納できる」などのメリットだけでなく「高さ調整が難しい」「積み重ね過ぎると危険が伴う」などのデメリットも理解しておくことが重要です。
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