パレットの保管問題とは？保管効率を改善するための方法を解説
2024/10/24
基礎知識
パレットは荷物の保管や輸送に欠かせないアイテムです。しかし、スペースロスが発生する他、劣化したり作業の安全性が損なわれたりとさまざまな問題が生じます。
こうした問題を解決するには、なぜ問題が生じるかを把握した上で、保管効率を改善する方法を理解しておくことが重要です。
そこで本記事では、パレットで商品を保管する際の問題点や保管効率を改善する方法を解説します。パレットの保管に関してお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
買取・販売ならキーフェルへ
パレットで商品を保管する際の問題点
パレットで商品を保管する際は、以下が問題となります。
● 空パレットが立てかけて保管されることがある
● 木製パレットが劣化すると腐る
● 空のプラスチックパレットが滞留する
● 倉庫のスペースロスが発生する
それぞれの問題点を詳しく見ていきましょう。
空パレットが立てかけて保管されることがある
パレットに荷物を載せている場合は、積み重ねて保管します。しかし、使用していない空パレットは、立てかけて保管されるケースがあり、安全性に関して問題があるため注意しなければなりません。
パレットは、平置きして積み重ねることを想定して設計されています。そのためパレットを立てかけて保管すると不安定になりやすく、少しの衝撃で倒れる恐れがあり、大変危険です。
一時的に立てかけるつもりだったパレットが、いつの間にか日常化するケースもあります。重量のあるパレットの下敷きとなり、死亡事故につながった事例もあるので、縦置きは禁止しましょう。
木製パレットが劣化すると腐る
パレットには木製・金属製・プラスチック製・紙製などいくつかの素材がありますが、そのうち木製パレットは劣化すると腐る点に注意が必要です。特に温度や湿度が高いとカビが繁殖しやすく、劣化が進むと木材の強度が落ちて、パレットが倒壊するリスクもあります。釘がむき出しになり、けがをしてしまうことも考えられるでしょう。
またカビが発生していることに気付かずに納品すると、取引先に迷惑をかけることになり、最悪信頼を失いかねません。そのため、木製パレットは温度・湿度管理を徹底すると共に、風通しの良い場所で保管して乾燥させておくことが重要です。
空のプラスチックパレットが滞留する
プラスチックパレットは使い勝手が良いものの、使用頻度が高いため特定の倉庫に滞留しやすいことが問題です。一拠点に溜まらないようスムーズに循環する流れを作っておかないと、パレットが滞留してしまいます。
また倉庫や工場内に保管されているものは、サイズや色、メーカーがバラバラであるケースが多く見受けられます。パレットはサイズがそろっていないと保管しづらく、荷物の管理もおろそかになりがちです。パレットを無理に積み上げて保管すると、バランスを崩して倒れる可能性もあります。
倉庫のスペースロスが発生する
荷物を保管するのに役立つパレットですが、スペースロスが発生する点は把握しておく必要があります。
倉庫のスペースロスには、平面ロス・高さロス・山欠けロスなどいくつかの種類があります。それぞれの概要や、なぜ問題となるかを詳しく見ていきましょう。
平面ロス
平面ロスとは、倉庫や工場内で保管スペースとして活用できていない部分のことです。スペースが余ってしまっていることによるロスと認識しておくと良いでしょう。
例えば、入口・出口付近の荷物を置けない場所や、フォークリフトの通路などが該当します。必要以上に通路が広い場合や、出荷頻度の異なる荷物をまとめて管理している場合に多くなりがちです。
高さロス
高さロスとは、倉庫や工場内の保管スペース内で、上部空間が有効に活用されていないことによるロスです。棚の上部にスペースがある、天井と棚の間に空間があるなどの場合で、高さロスが散見されます。
高さ調整が可能なパレットラックを導入する、高さのある棚を設置するなどで、高さロスは削減できます。
一方で、高く積み過ぎるとバランスを崩して倒れるリスクが高まったり、高所作業が負担になったりするため、安全性と作業効率の適切なバランスを取ることが重要です。
山欠けロス
山欠けロスとは、荷物の間に無駄な空間が発生するなど、商品を保管する棚を有効に活用できていない状態です。
例えば、商品の並べ方を整理できていなかったり、縦長の商品を横置きにしたりしている場合などが該当します。
一つひとつの隙間は小さくても、規模が大きい倉庫では無視できないものになります。
倉庫のパレット保管効率を改善する方法
倉庫のパレット保管効率を改善する方法には、以下が挙げられます。
● 倉庫に保管できる理論値を算出する
● 倉庫内を整理してレイアウトを変える
● 商品の高さに合ったラックを使う
● 出荷頻度別に保管場所を分ける
● パレットのサイズを見直す
● パレットをレンタルに切り替える
● 不要なパレットは中古買取業者へ売る
それぞれの方法の概要やポイントを詳しく解説するので、自社で保管効率を高める際の参考にしてください。
倉庫に保管できる理論値を算出する
まずは、倉庫の理想的な収納能力を示す「理論値」を、空間体積や床面積から導きましょう。
算出した後は、実際の収納量と比較し、無駄なスペースやもっと活用できるスペースがないかを特定します。理論値と実測値に大きなズレがある場合、空きスペースが多いことを示しており、改善の余地があります。
特に、先述した平面ロス・高さロス・山欠けロスがないかをチェックしましょう。
倉庫内を整理してレイアウトを変える
理論値に近付けるために保管効率を高めることも重要ですが、そればかりを意識するとかえって非効率になります。例えば、荷物を種類ごとに整理しないで詰めて保管する場合、ピッキング時に荷物を見つけづらくなります。
そのため、倉庫内を整理してレイアウトを整えましょう。出荷頻度の高い商品はピッキングしやすい棚の手前に配置すれば、スムーズに取り出せるため作業効率が高まります。
商品の高さに合ったラックを使う
商品の高さに合ったラックを使うのも重要です。ラックには、以下の種類があります。
● 中量ラック・中軽量ラック● 重量ラック
● 高層ラック
それぞれのラックの特徴を詳しく見ていきましょう。
中量ラック・中軽量ラック
中量ラック・中軽量ラックは主に、倉庫や工場で使用されているラックです。一般的に中量ラックの耐荷重は200～400kg、中軽量ラックは200kg程度であり、小さめから中程度の商品を保管する際に適しています。
重量ラック
パレットラックとも呼ばれる重量ラックは、荷物とパレットをまとめて収納する大型のスチールラックです。耐荷重は500kg以上あるものが多く、中には2,000〜3,000kgもの荷重に耐えられるものもあります。
大型の商品や電子機器を保管する際や、荷物とパレットをまとめて運搬して作業効率を高めたい場合などに最適です。
高層ラック
高層ラックは、倉庫の上部空間を有効に活用できるタイプのラックです。通常のラックよりも高さがあり、限られたスペースでも荷物を効率的に保管できます。高層ピッキングマシーンを併用すれば、ピッキングの作業効率も高まります。
一方で、高重量のものを保管するには適していません。あくまでも比較的軽量な荷物を、縦方向に積み上げて保管するのに適したラックです。
出荷頻度別に保管場所を分ける
荷物は出荷頻度ごとに分けて保管するのも、保管効率を高める上では重要です。出荷頻度の高い商品はピッキングしやすい場所に配置すれば、移動する距離と時間を大幅に削減できます。反対に出荷頻度が少ない商品は、倉庫の奥や高い棚などアクセスしづらい場所に配置しても差し支えありません。
こうした対策をせず、出荷頻度ごとに分けずに一緒に管理すると、何度も往復したり遠回りしたりなど、作業に無駄な動きが出てきてしまいます。
パレットのサイズを見直す
パレットのサイズが適切かどうかも、チェックしましょう。
パレットが大き過ぎると無駄なスペースが発生しやすくなり、反対に小さ過ぎるとピッキング等の作業効率が低下します。
保管効率や作業効率を考慮するなら、商品の幅よりもやや大きめのパレットを用いるのが適切です。
パレットをレンタルに切り替える
パレット保管に関する問題は、パレットを自社で所有しており、なかなか処分できないことにも起因しています。そこでおすすめなのが、パレットをレンタルに切り替えることです。
そうすれば、配送元でパレットをレンタルして納品先の近くで返却可能なので、パレットの運搬手配の手間や輸送コストを削減できるでしょう。
自社でパレットを保有する必要もないので、保管スペースが圧迫されることもありません。
不要なパレットは中古買取業者へ売る
不要なパレットは、中古買取業者への売却も検討しましょう。業者を利用するメリットは、パレットを処分しつつ利益を上げられる点です。状態が良好であれば、素材やサイズを問わず高価買取も見込めます。
パレットを売却する際は、業者の買取価格や条件をしっかり確認しましょう。業者によっては、改修費用がかかったり、欠け・割れ・汚れがあると買取対象外となったりする可能性があります。
複数の業者を比較検討し、条件にマッチするところへ買取を依頼しましょう。
まとめ
パレットは荷物を保管・輸送するのに便利ですが、保管には「空パレット立てかけて保管されることがある」「木製パレットが劣化しやすい」「空のプラスチックパレットが滞留する」などの問題があるのも事実です。
こうした問題を解決するために、倉庫内で保管できる理論値を計算する、出荷頻度別に保管場所を分ける、不要なパレットは中古買取業者へ売却するなどの対策を取りましょう。
キーフェル株式会社では、パレットを中心にマテハン機器の買い取りサービスを提供しています。買取査定は最短即日で、LINEで写真を送付するだけで完了するので、手間がかかりません。
また中古パレットのレンタルも行っています。レンタルであればパレットの保管に悩まされることもありません。会員登録不要で注文ができるため、まずはお気軽にご相談ください。
商品カテゴリ
