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ユーロパレット(EPAL)とは?認証マークの意味や日本とサイズが異なる理由について解説

ユーロパレット(EPAL)とは?認証マークの意味や日本とサイズが異なる理由について解説

2024/08/19

基礎知識

パレットにはさまざまなサイズが存在しますが、ヨーロッパ全域を中心に国際輸送でも広く採用されているのがユーロパレット(EPAL)です。ユーロパレット(EPAL)を採用するに当たっては、その概要や基準規格、認証マーク、厳格な認証制度を把握しておくことが重要です。

本記事では、ユーロパレット(EPAL)の概要や認証マークの意味、認証制度が厳格な理由、日本とサイズが異なる理由などを解説します。記事後半では、パレット標準化のメリットや国際輸送で使用するパレットもご紹介するので、併せて参考にしてください。

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ユーロパレット(EPAL)とは?

ユーロパレット(EPAL)とは、ユーロ圏で広く採用されている木製パレットです。日本ではJIS規格(Japanese Industrial Standards:日本産業規格)にてT11型(1,100×1,100×144mm)が標準パレットとして採用されているように、ユーロ圏でも同じサイズのパレットが流通しています。

パレットの認証を行うのは、EPAL(European Pallet Association)です。EPALは、一定の基準を満たした企業に対し、ユーロパレットの製造・メンテナンス・販売の認証を行っている他、取り扱い企業の審査や認証、定期的な品質検査なども実施しています。

最近、日本パレットレンタル株式会社(JPR)は、ユーロパレットの販売認証を日本企業で初めて取得しました。この背景は、国内からヨーロッパ向けに輸出を行う場合、現地顧客からユーロパレットでの出荷を求められるケースがあるためです。これまでは国内の輸出企業でEPAL認証を取得した企業が存在していなかったため、ユーロパレットの調達が大きな課題でした。日本パレットレンタル株式会社はこれらの問題を解決すべく、高品質なユーロパレットの供給と小規模単位での販売を展開する予定です。

ユーロパレットの基準規格

ユーロパレットの基準規格は、1,200×800×144mmです。日本の基準規格T11型(1,100×1,100×144mm)と比較すると、ユーロパレットは縦長でより細長い形状をしていることが分かります。

ユーロパレットの認証マークの意味とは?

ユーロパレットには、EPAL(ユーロパレット)とIPPC(国際植物防疫条約)の2つの認証マークがあります。それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。

EPAL(ユーロパレット)

EPAL(European Pallet Association)は、ユーロパレットの品質を保証する認証機関です。パレットに「EPAL」の刻印がされており、厳格な認証基準を満たした製品であることを証明しています。

IPPC(国際植物防疫条約)

IPPC(International Plant Protection Convention:国際植物防疫条約)とは、植物や農作物、天然資源を病害虫や疫病から守るために設立された国際条約です。1952年4月に発効され、2024年4月現在で185の国と地域が加盟しています(※)。

IPPCの枠組み内で策定されているのが、ISPM(International Standards for Phytosanitary Measures:植物検疫措置に関する国際基準)です。ISPM No.15(国際貿易における木材こん包材の規則)では、パレットなどの国際輸送用木材梱包材に対し、害虫の侵入を防ぐための熱処理または臭化メチル燻蒸処理を行うことを規定しています。

熱処理
 ○ 熱処理(HT):木製梱包材の材芯温度が56度以上に保たれた状態で30分以上加熱する
 ○ 誘導加熱処理(DH):マイクロ波による誘電加熱により木材梱包材の表面温度を30分以内で60度以上にし、その状態で連続して1分間加熱する
臭化メチル燻蒸処理:臭化メチルを用いて燻蒸処理(害虫駆除・カビ防止・殺菌を目的に、気体の薬剤を対象に浸透させる処理)を行う。温度や24時間にわたるCT値(g・h/m3)、24時間後の最低濃度(g/m3)などの規定がある。

上記の消毒処理が行われたことを証明するのが、IPPCマークです。

※参考:農林水産省.「国際植物防疫条約(IPPC)について」.(2024-05-09)

※参考:植物防疫所.「よくある質問集FAQ」.(2014-07-31)

※参考:JETRO.「木材梱包材の燻蒸処理」.(2024-06)

ユーロパレットの認証制度が厳格な理由

ユーロパレットの認証制度が厳格な理由は、同パレットが「等価等枚交換方式」により運用されているためです。

等価等枚交換方式とは、パレットの交換システムの一つです。使用済みのパレットを同じ品質の同じ枚数のパレットと交換します。等価等枚交換方式により、物流企業や荷主は使用済みのパレットをスムーズに交換できるため、物流の効率化とスピードアップ、コスト削減が図れます。

この方式では、交換されるパレットが標準化されているかつ、品質が良好であることが前提です。そのため、パレットの品質管理を厳密に行う必要があります。

なおユーロ圏ではこの方式が主流ですが、日本から輸出される場合は回収の利便性を考慮し、一度切りの使用を想定したワンウェイパレットが用いられるケースもあります。

日本とサイズが異なる理由

先述した通り、日本ではT11型(1,100×1,100mm)のパレットが標準化されており、ユーロパレットとはサイズが異なります。これは日本のパレット標準化の歴史と物流環境の違い、オーストラリアの影響に起因しています。

日本のパレットの標準化は、戦後間もない1949年、日本通運に勤務していた平原直氏が神戸港で初めてアメリカのパレチゼーション(物品や荷物をパレットに積み、パレット単位で保管・輸送を行うこと)を見たことがきっかけです。その後政府に働きかけ、標準サイズの策定と運用方法の確立を試みましたがこれは成功せず、その結果民間企業を中心に標準化が進められました。そのとき普及したのが、オーストラリアをモデルにしたレンタル方式です。

その後2021年に政府の総合物流施策大綱をベースに、官民物流標準化懇談会・パレット標準化推進分科会にて標準化の議論が進められました。このとき、T11型(1,100×1,100mm)を標準サイズにすることが決まっています。働き方改革による手作業の軽減や長時間労働の改善、コロナ禍でのECの急速な拡大に対応する必要性から、標準化が促進されました。

パレット標準化のメリット

パレットの標準化とは、物流に使用されるパレットの規格や運用方法を統一することです。パレットの規格制定に加えて、パレットの規格普及の意味合いも含まれています。両者が噛み合うことが重要であり、いずれか一方だけではパレット標準化のメリットは享受できないとされています。

サイズ標準化とルール・組織・制度の統一によりもたらされるメリットは、以下の通りです。

パレットの稼働を高められる
コストを最適化できる
持続可能な社会の構築につながる

1つ目のメリットは、パレットの稼働を高められる点です。標準化されたパレットを用いることで、積み込み・運搬・積み下ろし・保管など物流の各プロセスでの効率が向上します。全体の工程をスムーズに進めていけるため、結果として労働時間の短縮や人員削減にもつながるでしょう。

2つ目のメリットは、コストを最適化できる点です。ここでいうコストとは、保管・輸送・補修整備・メンテナンスなどあらゆる場面でかかるものを指します。標準化されたパレットは互換性が高く、倉庫内のスペースを有効活用できるのはもちろん、輸送効率を向上させることできメンテナンスも容易です。

3つ目のメリットは、持続可能な社会の構築につながる点です。標準化されたパレットは再利用やリサイクルしやすく、廃棄物削減に寄与します。標準化されたパレットは物流業界に携わる人はもちろん、社会全体にメリットをもたらすでしょう。

なお日本では、以下のようにパレットの標準化がされています。

平面サイズ 1,100×1,100mm(T11型)
高さ 144〜150mm
材質 ● 木製(あかまつ・からまつ・くろまつ・ぶな・タウンなど)
● プラスチック製(ポリエチレン・ポリプロピレン・不飽和ポリエステル)
強度 JIS Z 0602により試験を行う。項目は圧縮強度(ひずみ量)・曲げ強度(たわみ率・残留たわみ率)・下面デッキボード強度(たわみ率)・落下強度(対角線の長さの変化率)など。
最大積載質量 1トン
両面・片面 片面使用形または両面使用形
二方差し・四方差し 二方差しまたは四方差し
タグ・バーコード タグ・バーコードの接着が可能な設計

※参考:国土交通省.「パレット標準化の取組状況について」.(参照 2024-06-24)

国際輸送で使用するパレット一覧

海外では、国や地域ごとに主要なルールメーカーが存在しており、サイズもいくつかあります。国際輸送で使用するパレット一覧は以下の表の通りです。

国・地域 主要なルールメーカー 主なサイズ
ヨーロッパ 国際鉄道連合(UIC)の後援を受けた欧州の鉄道会社
CHEPなどのレンタル各社
1,200×1,000mm
1,200×800mm
アメリカ GMA(食品製造業協会)の標準パレットが普及 48×40inch(1,219×1,016mm)
オーストラリア CHEPなどのレンタル各社 1,165× 1,165mm
中国 国家標準化管理委員会配下の中国物流標準化技術委員会 1,200×1,000mm
1,200×800mm
1,100×1,100mm
(1,100×1,100mmを2022年に標準規格から除外)
韓国 韓国パレットプール、政府 1,100×1,100mm

※参考:国土交通省.「諸外国におけるパレットの利用実態・事例調査」.(参照 2024-06-24)

まとめ

ユーロパレット(EPAL)とは、ユーロ圏で広く採用されている木製パレットです。European Pallet Association(EPAL)により認証されており、国内企業では日本パレットレンタル株式会社(JPR)が初めて販売認証を取得しました。

ユーロパレットは基本的に、同程度の状態のものを同量交換する方式が採用されており、この方式を保つために認証制度が厳格になっている点も特徴です。購入する場合は、基準規格である1,200×800×144mmか、作りは良好かなどを確認しましょう。

キーフェル株式会社は、パレットの買取・販売サービスを提供しています。ユーロパレットの中古販売も行っており、いくつかの販売実績もあるので、ユーロパレットの購入を検討している方はぜひお気軽にご相談ください。

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