パレットの積み方7パターンを解説!荷崩れしない積み方とは?

2024/07/09
基礎知識
物流業界に欠かせないパレットは、手積みに比べると圧倒的に効率や生産性が向上します。パレットには、さまざまな積み方があるのをご存知でしょうか。
パレットの積み方には、荷物の特徴や大きさ、重さにより最適なものがあります。パレットをしっかりと活用するなら、これらを正確に把握しておくことが欠かせません。
そこで本記事では、パレットの積み方7パターンを解説します。パレットパターン・パレタイズ、荷崩れの原因とその対策なども併せてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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パレットパターン・パレタイズとは?
ここでは、パレットに荷物を積載する上で理解しておきたい基本用語の「パレットパターン」と「パレタイズ」の2つをご紹介します。
パレットパターン
パレットパターンとは、パレットに荷物を積載する際の並べ方のことです。詳しくは後述しますが、さまざまなパレットパターンが存在し、それぞれに特徴やメリット・デメリット、適した荷物などがあります。
例えば、最もシンプルなブロック積みはスムーズに積み重ねられる一方で、横方向からの力に弱く荷崩れのリスクがあります。その点、交互列積みやレンガ積みは横方向からの力にも強く、荷崩れのリスクが少ない点が特徴です。また、ピンホール積みやダブルピンホール積みは要冷蔵の荷物など温度管理が必要なものの保管に適しています。
荷物に適したパレットパターンを選択することで、荷物の安定性を確保しつつ、積載効率を最大限高めることが可能です。それぞれのパレットパターンの特徴を理解し、荷物の形状や特徴、大きさ、重さなどに応じて最適なものを選択しましょう。
パレタイズ
個包装のまま輸送ラインに載せるバラ積みと呼ばれる手法は、荷物同士を隙間なく積み込めるため、積載効率が向上し一度に大量の荷物を運搬できるのが利点です。しかし荷崩れしないように積み込む必要があり、手作業だと多大な手間がかかります。そこで行われるのが、パレタイズです。
パレタイズとは、物流工程において荷物をパレットに積み付け、ストレッチフィルムやベルトなどで固定する梱包作業です。荷物を効率的に保管し、運搬するためには欠かせません。
パレタイズの目的は、荷物の安定性を確保しつつ、積載効率を高めることです。しっかりパレタイズを行うことで、保管・運搬中の荷崩れのリスクを低減させることが可能となります。パレタイズには、以下のようなメリットもあります。
● コスト削減
● 生産性向上
● 安全性向上
● 省スペース化
● 製品の品質維持
またパレタイズは、以下の手順で実施するのが一般的です。
1. 製品の個装・整理
2. パレットへの積み付け
3. 製品の固定
4. 移動・荷役作業
なお、パレタイズした荷物を開梱し取り出す作業は、デパレタイズ(デパレ)と呼ばれています。
荷崩れの原因
荷物を効率良く積んだり、作業の生産性を高めたりするためにパレットが用いられますが、正しく使用しないと荷崩れを起こす可能性があります。重大な事故につながりかねないので、なぜ荷崩れが起こるのかの原因を把握しておくことは重要です。
パレット使用時に荷崩れが起こる原因には、以下が考えられます。
● 過積載
● 偏荷重
● 荷物の滑落
● 形状の変化
● 不適切な積載
過積載とは、最大積載量を超過して荷物を積み込むことです。荷物のバランスが崩れやすくなるため、煮崩れするリスクが高まります。
偏荷重とは、重心が前後左右のどちらかに偏る現象です。これにより、横転や荷崩れが引き起こされる可能性が高まります。重量のある機械や鋼鉄製品、長尺物を複数個積み込むと重心が偏りがちになるので注意してください。
荷物の滑落により荷崩れが起こる可能性もあります。ベルトやストレッチフィルムを活用して、滑り止め対策を行うのが重要です。
形状の変化が、荷崩れの原因となることもあります。例えば、軽い荷物を下側に、重い荷物を上側に積むと、荷物が潰れて荷崩れが引き起こされます。
さらに、パレットの積み方が不適切な場合も、荷崩れが発生しやすくなるため注意が必要です。後述するパレットパターンの特徴を理解し、適切に作業することが求められます。
荷崩れを起こさない対策
荷崩れを起こさない対策には、以下が挙げられます。
● オーバーハングに注意する
● 重い物から順に積む
● 最後に重しとなる荷物を載せる
それぞれの対策方法を詳しく見ていきましょう。
オーバーハングに注意する
オーバーハング(Over Hang)とは、パレットに積載された荷物がはみ出ていたりきれいに積まれていなかったりする状態です。この状態が起こると、過積載や偏重心となる可能性があるので荷崩れするリスクが高まります。
また木製パレットは板の間隔が広いと、荷物が外側にはみ出ていなくてもオーバーハング状態が起こりやすくなります。
オーバーハングが起きないようにするには、荷物を均等に積載するのが重要です。後述するパレットパターンやパレットの素材ごとの特徴も併せて理解し、安定性を高めましょう。
重い物から順に積む
荷崩れを防止し、安定性を高めるためには、重い物から順に積んでいきましょう。
重い荷物を下側に置くことで、重心が低くなり全体のバランスが安定します。これにより、運搬中や保管中の衝撃や揺れに対する安定性が増し、荷崩れのリスクが低くなります。
また、荷物を保護する観点からも、重い物から順に積むのが重要です。軽い荷物を下に、その上に重い荷物を積み重ねると重みで荷物が潰れる可能性があります。
最後に重しとなる荷物を乗せる
荷崩れを防ぐには、最後に重しとなる荷物を乗せるのも有効です。これにより、上部に積み重ねた軽めの荷物が、運送中の横揺れや横向きの風により荷崩れするリスクを減らすことができます。
最後に重しを乗せる際は、上部にある軽めに荷物が潰れない程度のものにしましょう。
パレットの積み方7パターン
パレットの積み方には、以下の7つのパターンがあります。
1. ブロック積み
2. 交互列積み
3. ピンホール積み(風車形積み付け)
4. ダブルピンホール積み
5. レンガ積み
6. スプリット積み
7. 窓積み
それぞれの積み方の概要や、メリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
1.ブロック積み
ブロック積みは、荷物を同じ方向に並べて積み重ねるパレットパターンです。平積みとも呼ばれています。
ブロック積みのメリットは、積み方がシンプルであり積載効率が向上する他、荷物をまとめて取り出しやすい点です。
その一方で、横方向の力に弱いので運送中に荷崩れするリスクがある点には注意しましょう。ストレッチフィルムやベルトなどでしっかり固定するなどの対策が重要です。
2.交互列積み
交互列積みとは、段ごとに荷物の向きを90度変えて積み上げる方法です。ブロック積みを応用したパレッタパターンで、インターロック積みとも呼ばれています。
交互列積みのメリットは偶数段と奇数段で荷物が直交するので、ブロック積みと比較して横方向の力にも強く、荷崩れしにくい点です。
しかし縦横の寸法が一致しない荷物には適用できない他、全体が正方形に近い荷物はほぼブロック積みと同じになる点には注意しましょう。
3.ピンホール積み(風車形積み付け)
風車形積み付けとも呼ばれるピンホール積みは、長方形の荷物を正方形に積み上げるパレットパターンです。荷物を風車のように交差させて積みます。
荷物の間に空気の通り道ができるため、冷蔵庫など温度管理が必要な荷物を運搬・保管する際に適しています。
荷物を積み込めないスペースがあるため、積載効率が低下する点はデメリットです。
4.ダブルピンホール積み
ダブルピンホール積みは、ピンホール積み(風車形積み付け)を応用したパレットパターンです。名前の通り、荷物の間に2つの空気の通り道があります。
ピンホール積みの温度管理のメリットを維持しつつ、積載率を向上させることが可能です。
その一方で積み方が複雑になるため、手作業だと積載効率が低下する点は念頭に置いてください。
5.レンガ積み
レンガ積みとは、荷物をレンガのように互い違いに交差させて積む方法です。1つの段で荷物の縦と横を直交させ、段を変えるごとに180度向きを変えて積み上げます。
レンガ積みのメリットは、特に荷物の安定性が高いパレットパターンであり、横方向の力に対しても強い耐性がある点です。加えて、全ての荷物を外側から確認できるため、検品しやすい点もメリットに挙げられます。
積み方が複雑であるため、積み込み作業には多少時間を要する点は把握しておいてください。
6.スプリット積み
スプリット積みは、レンガ積みを応用したパレットパターンで、積み方に隙間(スプリット)を設ける点が特徴です。
スプリット積みでは、横向きの荷物を積み込む際に隙間を作り、1段ごとに180度角度を変えながら積みます。荷物の縦横の寸法が合わない場合でも、隙間があることで安定性が保たれるため、荷崩れを防止できます。
ピンホール積みやダブルピンホール積みと同様に隙間があるため、積載効率がやや低下する点がデメリットです。
7.窓積み
窓積みもレンガ積みを応用したパレットパターンで、横向きに荷物を並べる部分を2列に増やしています。レンガ積みと同様に荷物の安定性が高く、外側から荷物が見えるため検品しやすい点がメリットです。
カゴ車や正方形ではない荷物を積む際に適しています。
まとめ
本記事では、パレットの積み方7パターンを中心に、荷崩れの原因や荷崩れを起こさないための対策などを解説しました。
パレットの積み方には、「ブロック積み」「交互列積み」「ピンホール積み(風車形積み付け)」「ダブルピンホール積み」「レンガ積み」「スプリット積み」「窓積み」の7つのパターンがあります。それぞれで積み方の特徴が異なるので、荷物のサイズや特徴、重さに合わせて最適な積み方を選択しましょう。
パレットに荷物を積む際、過積載や偏荷重により荷崩れを起こすこともあるので、「オーバーハングに注意する」「重い物から順に積む」「最後に重しとなる荷物を載せる」などの対策が重要です。
キーフェルト株式会社では、さまざまな材質と形状のパレットを取り扱っております。新品・中古販売や買い取り、レンタルと幅広いお客様のニーズに対応しています。パレットの選び方や積み方もご相談いただけるので、パレットをお探しの方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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