物流パレットとは? 材質・形状・サイズなどを徹底解説
2024/03/18
基礎知識
物流業界に欠かせないアイテムといっても過言ではないのが、物流パレットです。ひと口に物流パレットといっても、材質や形状によりさまざまなタイプに分類できます。それぞれで用途や特性が異なるため、それらを理解した上で活用することが物流効率を向上させるためには欠かせません。
そこで本記事では、物流パレットの概要に加えて、材質別・形状別にパレットの種類をご紹介します。記事後半では、パレットのサイズ・規格や利用する目的なども併せて解説するので、物流パレットをお探しの方はぜひ参考にしてください。
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物流パレットとは?
物流業界になくてはならないマテリアルハンドリング機器である物流パレットとは、物流において荷物の輸送、保管、積み下ろしに使われる台座または平台です。台の側面には差込口があるタイプもあり、フォークリフトやパレットジャッキ(ハンドリフト)などを用いると、重い荷物でも一度に運べます。
パレットは作業の効率化はもちろん、労働者の作業時間短縮や負担軽減にも欠かせないアイテムです。また、パレットを用いると積み下ろし時の荷物損傷リスクを低減できます。
パレットにはさまざまな種類があり、それぞれの用途が異なるため、それらを理解した上で使用するのが重要です。例えば、プラスチックパレットは化学的にも物理的にも安定しているプラスチックの性質を活用し、医薬品や食品を運搬する際に用いられます。一方金属製パレットは耐久性と耐荷重性が高く、特定の工業製品の輸送時に役立ちます。
【材質別】パレットの種類
材質別にパレットを分類すると、以下のようになります。
● 木製パレット
● プラスチックパレット
それぞれのパレットの概要やメリットを詳しく見ていきましょう。
木製パレット
木製パレットは、主に木材を材料とするパレットです。一般社団法人日本パレット協会の資料によると2022年は約3,500万枚の木製パレットが生産されており、数ある素材の中でも日本のみならず海外でも一般的に使用されています。素材は、国産木材のカラマツや輸入木材のカラマツ、ツガなどの針葉樹の他、南洋系の混合材(広葉樹)などです。
木製パレットは他の材質に比べて製造コストが低く、荷物が滑りにくく輸送中の安定性が高まるなどのメリットがあります。さらに万が一破損した場合でも修理が容易で、長期的に使用可能です。
プラスチックパレット
プラスチックパレットは、2022年の生産量が約1,600万枚と木製パレットに次いで生産量の多いパレットです。主にポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などの合成樹脂を主材料に製造されます。
プラスチックパレットのメリットは、耐水性と耐化学薬品性に優れている点です。湿気や化学薬品が関与する環境下でも、安心して荷物の輸送に用いることができ、特に医薬品産業や食品産業での需要が高くなっています。木製パレットと比較して害虫による被害やカビ、腐食の心配もないため、衛生的な環境で物資を保管する際に適しています。
また加工技術の発展により、軽量化と強度の両方を兼ね備えている点も特徴です。重量が軽いため輸送時における燃料消耗を削減でき、強度が高いため長期にわたって繰り返し使用できます。
【形状別】パレットの種類
パレットを形状別に分類すると、以下のように分けられます。
● 平パレット
● ボックスパレット
● メッシュパレット
● ロールボックスパレット
それぞれのパレットの用途やメリットなどを解説します。
平パレット
平パレットとは、物流や倉庫管理で用いられる上部構造のない平らなパレットです。木製・プラスチック製・金属製などさまざまな材質で製造されます。側面に差込口があり、フォークリフトやパレットジャッキ(ハンドリフト)を用いると効率的に運搬できます。
ボックスパレット
ボックスパレットとは、側板が三面もしくは四面方向に取り付けられたパレットです。荷物を運搬する通常のパレットの機能に加えて、荷物を保管・管理できるケースの機能がプラスされています。
側板は折り畳み式・取り外し式・固定式などがあり、使用時以外は余分なスペースを必要としません。
メッシュパレット
メッシュパレットとは、金属製の網を立体的に組み合わせて作られる箱型のパレットです。パレティーナやメッシュボックスなどとも呼ばれており、広義ではボックスパレットに含まれます。
メッシュパレットは金属製なので、木製パレットやプラスチックパレットと比較して強度が高い点がメリットです。またメッシュであることから通気性が良く、農作物や生鮮食品の保管、移動に用いられます。
ロールボックスパレット
ロールボックスパレットは、ボックスパレットにキャスターが付いたタイプのパレットです。カゴ台車・カゴ車・カーゴテナーとも呼ばれます。
ロールボックスパレットのメリットは、キャスターが付いているためフォークリフトを用いなくても運搬しやすい点です。また棚代わりに、直接商品を保管できます。そのためロールボックスパレットは、物流のさまざまなシーンで使用されており、販売施設から倉庫管理まで幅広く対応可能です。
一般的なロールボックスパレットは折り畳みが可能なので、使用時以外はスペースを取りません。
パレットのサイズ・規格
物流パレットには、サイズ・規格が定められています。日本と海外の場合に分けてそれぞれ見ていきましょう。
日本の場合
日本の場合、標準サイズはJIS規格(Japanese Industrial Standards:日本産業規格)の「JIS Z 0601 11型」で、1,100mm×1,100mm×144mmと定められています。ただし業界ごとに異なるサイズのパレットが用いられており、以下の7種類の寸法が一般的です。
● 1,100× 800mm
● 1,100× 900mm
● 1,300×1,100mm
● 1,400×1,100mm
● 1,200× 800mm
● 1,200×1,000mm
● 1,440×1,130mm
海外の場合
海外のサイズ・規格は国ごとに異なります。以下は主要国のサイズ・規格です。
● アメリカ:1,219mm×1,016mm(48インチ×40インチ)
● 中国:1,200mm×800mm、1,200mm×1,000mm、1,100mm×1,100mm
● 韓国: 1,100mm×1,100mm
● ヨーロッパ:1,200mm×800mm、1,200mm×1,000mm
● オーストラリア:1,165mm×1,165mm
海外へ輸出する際は、こうした国による違いを押さえておきましょう。
パレットを利用する目的
パレットを利用する目的には、「ディスポーザブルパレット(ワンウェイパレット)として使う」「リターナブルパレットとして使う」の2パターンが挙げられます。それぞれの用途を見ていきましょう。
ディスポーザブルパレット(ワンウェイパレット)として使う
ディスポーザブルパレットとは、1回きりの使用を想定したパレットです。ワンウェイパレットや使い捨てパレットなどとも呼ばれます。製品の一方向輸送に適したタイプのパレットです。
ディスポーザブルパレットには金属製パレットほどの高い耐久性は求められないため、コスト面も考慮して主に段ボールや紙製、プラスチック製のパレットが用いられます。
リターナブルパレットとして使う
リターナブルパレットとは、繰り返し使用することを想定したパレットです。耐久性が高く腐食しないことが重要なので、金属製パレットやプラスチック製パレット、木製パレットなどが用いられます。
リターナブルパレットは初期費用はディスポーザブルパレットと比較すると割高になりますが、その後繰り返し使用する点を考慮すると、経済的です。
また国際物流や貿易業では積載物だけでなく容器にも関税がかけられますが、リターナブルパレットは一定の条件を満たすと免税制度が受けられます。
まとめ
本記事では、物流パレットの概要や材質別・用途別のパレットの特徴をご紹介しました。
ひと口にパレットといってもその種類はさまざまであり、特性を理解した上で活用することが、物流効率やコスト効率を上げるためには欠かせません。これを理解した上で、国内外の規格や使用回数に合わせて最適なものを選びましょう。
キーフェルト株式会社では、さまざまな材質と形状のパレットを取り扱っており、新品・中古販売や買い取り、レンタルにも対応しています。廃プラスチックを100%原料としたリサイクルパレットも販売しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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