SDGsに対応したパレットとは? 種類や導入するメリットを紹介

2024/03/14
基礎知識
SDGsや循環型社会の重要性が叫ばれる昨今、企業はどのような点で貢献できるのかと考えたことのある方もいるでしょう。小さな取り組みでも、積み重ねることで持続可能な循環型社会の構築に貢献できます。
そこで本記事では、物流業に欠かせないマテリアルハンドリング機器の一つであるパレットをテーマに、SDGsによってパレットに求められている変化をご紹介します。記事後半では、SDGsに対応したパレットの種類や、使用することで得られるメリットも解説するので、ぜひ参考にしてください。
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SDGsによってパレットに求められている変化
SDGs対応のパレットを詳しく見ていく前に、まずはSDGsの概要を押さえておきましょう。
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年の国連サミットで採択され「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに達成を目指す国際的な目標です。17のゴールと169のターゲットから構成され、地球上の誰一人取り残さないことを誓い、発展途上国のみならず先進国も含めグローバルに取り組むべき指針が示されています。
SDGsによってパレットには「環境への優しさ」「労働条件の改善」などが求められています。次章からは具体的な変化を詳しく見ていきましょう。
環境に優しいパレット
多くのパレットはプラスチックから作られており、コストパフォーマンスも良く、丈夫で長く使えることから、木製と同様に広く普及しています。
しかしプラスチックは、製造過程で大量の二酸化炭素が排出される、廃棄物や海洋汚染の原因となる、廃棄に伴い有毒物質が出るなどさまざまな問題を抱えています。こうした背景により再度木製パレットが注目を浴びますが、世界情勢が不安定化したことや木材の需要が増加したことを受け、木材不足が顕在化しました。
こうした状況下において、パレットには、環境に優しいかつ木材の使用量を抑えたものが求められます。代表例には、バイオマス配合の再生プラスチックパレットやウッドプラスチック製パレットなどが挙げられます。
労働環境を改善するパレット
SDGsは環境に優しい取り組みだけでなく、労働環境を改善する取り組みも含まれます。具体的には「ジェンダー平等を実現しよう」「働きがいも経済成長も」「産業と技術基盤の基礎を作ろう」などです。
従来の木製パレットやプラスチックパレットは、丈夫ではあるものの重量があり扱いづらいため、物流業界における女性の労働環境を悪化させる要因となっていました。この問題を解消するには、パレットには丈夫さを保ったまま軽量化するなどの改良が求められます。
後述する軽量リサイクルパレットや段ボールパレット、紙製シートパレットなどはプラスチックの消費量を削減しつつ、木製パレットよりも優れた扱いやすさを実現しています。
SDGsに対応したパレットの種類
SDGsに対応したパレットには、以下が挙げられます。
● バイオマス配合の再生プラスチックパレット
● 軽量リサイクルパレット
● ウッドプラスチック製パレット
それぞれのパレットの概要や特徴などをご紹介します。
バイオマス配合の再生プラスチックパレット
一般的なプラスチック製品は、主に石油から作られます。石油を原料とするプラスチックは丈夫で化学的に安定しているものの、製造過程で多量の二酸化炭素が排出される他、海洋汚染の原因ともなり得る点が課題です。
そこで注目されているのが、バイオマス配合の再生プラスチック製品です。植物由来のバイオマス成分を含んだプラスチックは、微生物の働きにより最終的には水と二酸化炭素に分解されます。これを原料とするパレットは、環境に優しくありつつも従来のプラスチック製品と同様に強度が高いことから、活用が進んでいます。
SDGsの目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標15「陸の豊かさを守ろう」などの達成に貢献しているでしょう。
軽量リサイクルパレット
軽量リサイクルプラスチックは、リサイクルされたプラスチックを材料に使用して製造されたプラスチック製品です。軽量リサイクルプラスチックから製造されるパレットは数kgと軽量で、女性でも持ち運びしやすくなっています。
男女間における労働環境の違いを改善する点ではSDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を、プラスチックをリサイクルし環境に優しい点では目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」を満たしているといえるでしょう。
ウッドプラスチック製パレット
ウッドプラスチック(Wood-Plastic Composite:WPC)とは、木質バイオマスとプラスチックを複合した材料です。優れた強度を持つ他、二酸化炭素の排出量が少ない、環境負荷が小さいなどの性質を持ちます。
パレット以外にも敷き板や砂利固定具などで、実用化されています。SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献できる製品です。
SDGs対応のパレットを使用することで得られるメリット
SDGs対応のパレットを使用すると、以下のメリットが得られます。
● プラスチックの使用量を削減できる
● 循環経済(サーキュラーエコノミー)に貢献できる
● CO2排出量の削減になる
● エネルギー消費削減につながる
● 労働負担の軽減につながる
SDGs対応のパレットへの理解を深めるためにも、それぞれ詳しく見ていきましょう。
プラスチックの使用量を削減できる
先述したSDGs対応のパレットには、プラスチックをリサイクルしたものや、そもそも原料にプラスチックを用いていないものがあります。これらのパレットを普及させると、プラスチックの廃棄量や使用量を削減できます。
マテリアルハンドリング機器のパレットをSDGs対応のものにすることが、物流業界全体でプラスチックの消費量や廃棄量を減らすためのステップとなるでしょう。
循環経済(サーキュラーエコノミー)に貢献できる
従来の原材料から製品、利用、廃棄物に至るまでの流れは線型経済(リニアエコノミー)と呼ばれており、資源不足や環境汚染などさまざまな問題の要因となっています。
その線形経済と対を成す概念が、循環経済(サーキュラーエコノミー)です。循環経済とは、資源の消費と廃棄物の削減を目指しながら、商品やサービスの価値を最大化する経済活動です。限りある資源を有効活用する3R(Reduce・Reuse・Recycle)を意識しながら循環経済へと移行することで、世界で約500兆円の経済効果があるとされています。
紙製・段ボール製のパレットや、バイオマス配合の再生プラスチックのパレット、ウッドプラスチック製パレットなどは製品のライフサイクルでリサイクル可能なので、循環経済に貢献しているといえるでしょう。
CO2排出量の削減になる
軽量リサイクルパレットや段ボールパレット、紙製シートパレットはパレット自体が軽量なので、積載重量負荷が軽減されます。運送効率も良くなるため、トラックやフォークリフトなどの機器から排出されるCO2を削減する効果に期待できるでしょう。
また新規のプラスチック製造量を減らせる観点からも、CO2の排出量削減に貢献しています。
エネルギー消費削減につながる
軽量化されたパレットは輸送時の燃料消費を減らせるため、エネルギー消費の削減にもつながります。輸送効率が向上すれば、HEVやEVなど低環境負荷トラックの使用が増え、持続可能な社会の構築が加速していくことが予想されるでしょう。
労働負担の軽減につながる
軽量化されたパレットは、労働負担の軽減にもつながります。男女間の働きやすさの差が縮まれば、ジェンダー平等を実現できるでしょう。
まとめ
本記事では、SDGs対応のパレットの概要をご紹介しました。
SDGsで掲げる目標を達成するためには、環境に優しく、かつ労働環境の改善にも配慮したパレットを選択しましょう。こうした条件を満たすパレットには、「バイオマス配合の再生プラスチックパレット」「軽量リサイクルパレット」「段ボールパレット」「紙製シートパレット」「ウッドプラスチック製パレット」などが挙げられます。
SDGs対応のパレットを使用すれば、プラスチックの使用量を削減できる、CO2排出量の削減になる、労働負担の軽減につながるなど、さまざまな点で環境と労働者に貢献できます。普段からよく使用するパレットに目を向け、SDGsで掲げる目標達成のために、何かできることはないかを考えてみましょう。
キーフェルト株式会社では、「全ての廃棄物は資源である!」を行動指針として、循環型社会に向けてできる取り組みを行っています。主に使用するだけでエコに貢献できる「エコ商品販売事業」と、再利用で無駄にしないための「リサイクル・リユース事業」を手掛けています。
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